『光をくれた人』ファス廃の業 故の落とし穴

『光をくれた人』(2016)アメリカ=オーストラリア=ニュージーランド
原題/The Light between Oceans
監督/デレク・シアンフランス
出演/マイケル・ファスベンダー アリシア・ヴィキャンデル レイチェル・ワイズ 他


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第一次世界大戦後、西オーストラリア沖の孤島 ヤヌス島で灯台守として働きだした元軍人のトム・シェアボーン(マイケル・ファスベンダー)は近隣の町に住むイサベ ル(アリシア・ヴィキャンデル)と運命的な出会いをし結ばれる。
幸せに暮らす二人。
しかし子宝に恵まれず、度重なる流産にイザベルの心は次第に疲弊していく。
そんなある日、島にボートが漂着してくる。
そこには既に事切れた男性と泣き叫ぶ赤ん坊が乗っていたのだが……。


光をくれた人
美しくも厳しい島の風景が素晴らしい


M・L・ステッドマンのベストセラー小説『海を照らす光』を『ブルー・バレンタイン』のデレク・シアンフランスが監督・脚本を務めての映画化です。
主演は天使マイケル・ファスベンダーとオスカー女優アリシア・ヴィキャンデル
今ハリウッドで最高にHOTなカップルが本作の共演をきっかけにリアルお付き合いに発展したのは有名な話。ぐぬぬ。


光をくれた人
何この夫婦感


西部戦線での激戦で心身ともに疲弊したトムは、心を閉ざしオーストラリアの孤島ヤヌス島で灯台守として働きだします。


光をくれた人
運命的な出会いをするトムとイザベル


戦争後遺症だけでなくおよそ潤いと縁遠い人生を歩んでいたらしいトムはとにかく孤独。
イザベルに告白するトムの過去は、母を早く亡くし、厳格な父との生活はその後の軍隊生活も全く苦にならなかった程の厳しさ。
「自分が死んでも誰も悲しむ者はいない」というトムの孤独。
しかし太陽のように明るく光のように朗らかなイザベルとの出会いは彼を大きく変えていきます。


光をくれた人
孤独なトムが出会った光、イザベル


たった2度しか会っていないにも関わらず手紙を介して深く愛し合うようになる2人。
え?マジですか?てほどの純愛。凄い。ぐぬぬ。


光をくれた人
イザベルとのやり取りは閉ざされたトムの心を開いていく


光をくれた人
意外と積極的に押すイザベル やるね~。


切々と想いを告白するトムの手紙は溢れんばかりの愛が溢れていて思わずうっとりだなー。
程なく二人は結婚。


光をくれた人


幸せな二人のあれこれイチャイチャは素敵でうっとりします。が、ファス廃としては時々チリチリと胸に湧き上がる焦げ臭い思いを封じ込めながらの鑑賞。ぐぬぬ。


光をくれた人
キスでお髭がくすぐったいから剃るわ~♪


光をくれた人
そりゃこんな事してたらリアルラブにもなりましょーよ。ぐぬぬ。


程なく妊娠するイザベル。
しかし、2人を待ち受ける非情な運命。イザベルは最初の子を流産してしまいます。
傷心の彼女へのトムの心遣いは深く優しく、癒されたイザベルは再び妊娠。
しかしまたもや子供は流れてしまう。
閉塞された島の中でイザベルの心は追い詰められていきます。


光をくれた人
疲弊して心を病んでいくイザベル


そんな時、乳児を乗せたボートが島に辿り着くのです。
幼子を産湯に付け、体を拭き、まるで失った我が子のように世話をするイザベル。


光をくれた人
このタイミングで子供が現れたらそりゃな……💧


父親であろう男性は亡くなっている。黙っていれば他にはバレないので、我が子として育てようと涙ながらに懇願するイザベル。
彼女の願いをどうしても断ることが出来ないトム。それが罪だと分かっていながら。


光をくれた人
我が子として育てたいと望むイザベル


光をくれた人
ルーシーと名付け実子として育てる二人


そして4年後、愛らしく育ったルーシーと幸せの絶頂にいた二人は、偶然にも娘の生みの母親ハナ(レイチェル・ワイズ)と出会ってしまう。
それぞれの運命が交差して行くことになるのですが……。


光をくれた人
夫も子供も亡くし悲嘆に暮れ過ごすハナ



実はこれ5月の公開初日に観ました。ファス廃だからね!
観賞後、湧き上がる色んな感情、感想を言葉にするのが難しくて。時間を置いて再見しようって事でブログアップが遅れました。
と、言うのも、初回時は予告の煽りにあるような号泣とは程遠く、観終わった後ちょっと憤慨さえしていたワシ。



『初回時の感想』

イザベルへの深い愛を貫くため、トムは後半大きな決断をするのですが、それは彼にとって非常に理不尽な結果を招きます。
それなのにイザベルは、子供を失うショックがあるにせよトムの愛情を疑い彼を拒絶します。


光をくれた人
ルーシーと引き離されるイザベル

なにそれちょっと!!
こんなに健気で誠実な愛を受けながらトムを邪険にするイザベルに腹が立って冷静に物語を租借できなかったファス廃の業をご理解ください。
だってファス好きなんだもんしょーがないじゃん。と開き直る。


光をくれた人
ハナの決断が更にトムを追い詰める


更に実の母ハナのある決断もトムにとっては非情なもので、わたしゃあっちにもこっちも腹が立ち泣くどころじゃなかったのだ。
ちっとホロりんはしたけど、それよりも憤慨の方が大きくて、何やら納得できないなぁぁ……と劇場を後にするワシ。

これは如何なものか?ちゃんともっと冷静になって再見しようと思いました。



『再見!!』ちょっとネタバレ注意!


誇張でもなんでもなく、初回の5倍泣けた。参った。
既にストーリーが分かっているので、ファスが(トムが)受ける理不尽なあれこれを冷静に観て物語を堪能できたのでしょう。

イザベルは戦争で亡くなっ二人の兄に代わり両親に対して責任とプレッシャーを感じ、子を成せない自分を追い詰めたのかも。
病んだ心はルーシーを失うきっかけを作るトムに向けられたのでしょう。

ハナも、実の娘に母と認められない苦しみが切ない。
イザベルへの決意の告白と決断が泣ける。
亡くなったドイツ人の夫の優しい思い出に心が震えます。赦す心の尊さ。
そしてトムのイザベルに対する驚愕の愛の深さ。
皆が愛する人の為に一生懸命で、誰も悪くない。
それらが昇華するラストに涙が溢れまくりました。

美しい海と空の色、島の自然の映像が素晴らしい。
全編に溢れる波の音も効果的です。波の音好きなのよ❤
1度めとのこの違い!www
初見でわたしと同じ感想を持たれたファス廃の皆さん!
騙されたと思って2回観て!印象変わるから!
ファス廃の業は厄介に深いのじゃ。


光をくれた人


まーそんな作品でした。
ところで役柄で髪が短めなファス、頭が小さいので驚くよ。小玉スイカみたいなんだから!可愛い🌼


光をくれた人
あんた頭ちっちゃいな! おうよ。


あとねー、本作でファスとアリシアちゃんが実際にお付き合いするようになったのは有名な話ですが、作品内でファスが恋に落ちる瞬間を目撃できます。

ファスがどアップで泣きむせぶシーンがあるのだけど、「泣きのファスの真骨頂」とばかりにズビズビ泣いてるもんで、鼻水垂らしまくりなんですわ。


光をくれた人
ここな。


2人は顔を近づけて会話をするんだけど、アリシアちゃんはファスの流す涙を手で拭いながら非常に自然に鼻水も拭いてあげてるのよ。
しかもカメラ映りに不自然でないように!物凄く自然に!
あ、ファスが恋に落ちた!って思った。


光をくれた人
なんてええ娘なんやぁぁぁ~~


……っていう妄想です、はい。
ええ脳みそ沸いてます、はいはい。
ぐぬぬ……


光をくれた人
はい、そこ見つめすぎ!

ってーことで
さらば!!
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『マンチェスター・バイ・ザ・シー』 それでも人生は続く

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(2016)アメリカ
原題/Manchester by the Sea
監督/ケネス・ロナーガン
出演/ケイシー・アフレック  カイル・チャンドラー  ミシェル・ウィリアムズ  ルーカス・ヘッジズ 他


マンチェスター・バイ・ザ・シー


ボストン郊外で便利屋として生計を立てているリー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)はある日 心臓に持病を持つ兄ジョー(カイル・チャンドラー)危篤の連絡を受ける。
急ぎ故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻るがジョーは既に亡くなっていた。
葬式、埋葬、資産の管理に加え、遺言により16歳の甥チャンドラー(ルーカス・ヘッジズ )の後見人に指定されていたリー。
兄の死、未成年を養育する事への不安に加え、リーはある重い問題を抱えていたのだった……。


マンチェスター・バイ・ザ・シー
ケイシーが最高オブ最高


心に深い傷を負った男が故郷に戻り自らの過去と向き合う姿を描いた物語。
主演のケイシー・アフレックがアカデミー賞の主演男優賞、合わせてケネス・ロナーガン監督が紡いだ物語もアカデミー脚本賞を受賞しています。
何度も観ちゃった。
なのに思いが重すぎて、自分のなんちゃってブログで映画を穢したくなくて、なかなか文章が書けなかった(PCが落ちて書きかけ記事全部落ちたし💢)


マンチェスター・バイ・ザ・シー
「おいでよ」
呼ばれて何回も観たぞ ケイシーこのヤロウ!


映画冒頭主人公リーが淡々と仕事をこなす様子が映し出されます。
アパートの便利屋として働くリーは雪かき、ゴミ捨て、電気工事、トイレのつまりやバスの水漏れ修理までこなします。仕事は的確だけれどおよそ愛想というものが無く、ぶっきらぼうで客からクレームを受けても嫌ならクビにしろという態度。
夜は独りバーで酒を飲み女性からの誘いは無視、目が合った男性客に喧嘩を売り、一人暮らしの暗いアパートに戻りソファーで眠る。
寡黙で笑顔も無くおよそ潤いのない寒々しいリーの様子。


マンチェスター・バイ・ザ・シー
笑顔なく、日々機械のように淡々と過ごすリー


ところが所々差し込まれる過去のシークエンスでのリーは快活に笑い家族や友人と楽しげに過ごし、まるで別人のようです。
リーの身に起こった「ある出来事」が如何に彼を打ちのめし人格を変える程だったかという事が分かります。
わたしは初見に「その出来事」が再現されるシーンで変な声が出てしまった。
アルビノーニのアダージョが朗々と流れる中、記憶再生されるあれこれをリーと一緒に追体験する観客。容赦のない残酷な現実に嗚咽するのを我慢して気付けば呼吸が浅くなっていました。


マンチェスター・バイ・ザ・シー
幸せだった過去と現在の落差が辛い


マンチェスター・バイ・ザ・シー
残酷な過去の出来事に変な声出た


離婚した元妻ランディ(ミシェル・ウィリアムズ)をうっかり「妻」と呼ぶリーの心は未だ過去に留まったままなのでしょう。
悲しみを湛えた表情、力無い声、寄る辺ない仕草は心にダイレクトに響いて、ちきしょーケイシーこのヤロウ。


マンチェスター・バイ・ザ・シー
大したセリフも無いのにケイシーのこの辺の演技凄いよ


重い内容ですが、ルーカス・ヘッジズ演じる甥のパトリックは映画の癒しです。
パトリックは若く幼く現代っ子らしい感覚で父の死を受け止め、過去を引きずるリーとは異なる反応をします。
彼の行動にリーが引っ張られるのは微笑ましく笑いを誘います。
引っ越さないといけないかもしれない不安、家出していた母との再会等ヤングも色々辛いのじゃ。
期待の新人ルーカス君 グッジョブ!


マンチェスター・バイ・ザ・シー
パトリックもそれなりに大変なのだ


元妻ランディを演じるミシェル・ウィリアムズが安定の演技。
気性の激しいランディの口から溢れる毒のような言葉が過去のリーをより追い詰めたのだろう事が容易に想像できます。
しかしそこに愛がある事が伝わるランディとリーの再会シーンが辛い。
ランディの選択は痛みをを乗り切る手段の一つとして正解なのかな。
泣ける。上手い。参った。


マンチェスター・バイ・ザ・シー
シーンは短いけれど魅せる演技はさすが


ところで個人的にお兄ちゃんのジョーを演じたカイル・チャンドラーの佇まいがね、非常に非常に良かった。
リーが最悪な時一番そばで見守り、抱きしめ、寄り添っていたジョー。
パトリックの後見人にリーを選んだのも故郷に引き戻す意図があったのでは。自分の死後、独り暮らすリーの事が気がかりでならなかったのでしょう。


マンチェスター・バイ・ザ・シー
お兄ちゃんのカイル・チャンドラー良かったわ~~


ボストンに越したリーが住みだした、狭く日当たりの悪い部屋を見たジョーは
「こんなの部屋じゃない!家具を買いに行くぞ!」と。
届いた新品の家具を覆っていたビニールを取り外しソファーにどっかり座り
「な?これが部屋だよ」とにっこり笑うジョーのお兄ちゃん力に心が震えたっっ。
当時のリーにはお兄ちゃんの笑顔に応える術は無かったでしょうが……。


マンチェスター・バイ・ザ・シー
お兄ちゃん、リーの事心配だったんだろうなー💧



「無理だ、辛すぎて、乗り越えられない 無理なんだ。」
血を吐くように切実な想いを吐露するリー。
癒えない傷、苦しみに映画は答えを用意しません。
個人的にはリーは完全に乗り越える事は出来ないのでは無いかと思いました。
あまりにもリーの心の傷は大きすぎる。
それでも人生は続く。
リーがふと漏らすセリフ「ソファーベッドを置く部屋が必要だ」にパトリックを受け入れる兆しを感じたし、小さなボールを投げ合う姿もまたこれからのコミュニケーションの暗喩でしょう。
海岸で寄り添い釣り糸を垂れるリーとパトリックの姿に静かにひたひたと湧き上がる感動に涙を抑えきれませんでした。


マンチェスター・バイ・ザ・シー


答えを提示しない物語、ありがちなお涙頂戴な流れを一切排除したリアルな演出は逆に心に響き正直参った。
そしてなりよりケイシー・アフレックだよね!
数年に一度「映画が役者を呼んだ」ような作品に出会える事があって、本作のケイシーは正にそれだった。
もともとこの役、マット・デイモンが監督・主演を希望していたもの。
それが火星のジャガイモやらどっかの国の長い壁やらあれこれ諸事情でスケジュールが合わなくなりケイシーに譲った経緯があったとか。
マット上手いけどね、今回はケイシーで正解だよ。


マンチェスター・バイ・ザ・シー
ケイシー色々あったけど、仕事頑張って欲しい


独特の滑舌の悪い喋りや(褒めてます)ちょっと頭の悪そうな(褒めてます)育ちの粗野そうな雰囲気(褒めてますって)そしてなによりインディーズ臭溢れるケイシーのキャラ(超褒め褒めですって)がリーにどハマリ。
映画の神様がケイシーを「呼んだ」としか思えない演技はオスカー他数々の賞を総なめした事で証明済みでしょう。
想像を軽く超える素晴らしい演技に感情を揺さぶられ、猛烈な庇護欲あーんど母性本能まで刺激されても~~ホントにケイシーこのヤロウ!!


マンチェスター・バイ・ザ・シー
ホームレスみたいなケイシー 何とかしろよ


マンチェスター・バイ・ザ・シー
ええとこですな~~


ボストン近郊のマンチェスター・バイ・ザ・シー(実在の街です)の風景も美しい。
間違いなく本年度トップクラスの作品です。
大切な宝石映画になりました。
まだまだ絶賛上映中なのでぜひぜひ映画館へゴーだよ!
ってことで、さらば!!


マンチェスター・バイ・ザ・シー
いい顔🌼

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『トレインスポッティング 2』 ノスタルジーじゃない 「今」なんだ

『トレインスポッティング2』(2017)イギリス
原題/Trainspotting 2
監督/ダニー・ボイル
出演/ユアン・マクレガー ユエン・ブレムナー 
ジョニー・リー・ミラー ロバート・カーライル 他


トレインスポッティング2



かつて仲間たちを裏切り大金を持ち逃げしたマーク・レントン(ユアン・マクレガー)が、20年ぶりにエジンバラに戻ってきた。
かつての仲間スパッド(ユエン・ブレムナー)、シック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)、ベグビー(ロバート・カーライル)は、相変わらず底辺な人生を送り続けていた。


トレインスポッティング2
あれから20年 みんな痩せてる!


トレインスポッティング2
レントン再び!


トレインスポッティング2
マジかー


トレインスポッティング2
清々~~ すっきりヤクを抜く


1990年代、ポップカルチャーの象徴として大ヒットしたイギリス映画「トレインスポッティング」の続編。
あ、前作は必ず観てから鑑賞してくださいね。よく分かんないですよ~。


トレインスポッティング2


前作から20年後、仲間を裏切り大金を持ち逃げしたマーク・レントンが逃亡先のアムステルダムからエジンバラに戻ってくる。
彼の帰りを待ちわびていた母は既に亡くなり、年老いた父は独り暮らしていた。
恐喝や売春や相変わらずアンダーな仕事で稼ぐシック・ボーイ。
マークが残した大金全てをドラッグにつぎ込み、仕事も家族も失ったジャンキーに成り果てたスパッド。
ベグビーにいたっては懲役刑で20年間服役中。
「普通の人生」を歩むはずだったレントンも、現実世界からはじかれての帰省だったのだ。再び交錯する彼ら4人の ”Choose life” とは……???


トレインスポッティング2
トミーを想い追悼


前作の公開当時は自分映画史でも一二を争うほど映画を観ていた頃。
浴びるほど映画鑑賞しながらも、この作品の印象は鮮烈の一言でした。
だから続編の公開を渇望しながらも、非常に観るのが怖かった。
衝撃的な映像、音楽、役者に魅了された「ぼくのトレスポ」の世界観が変わってしまうんじゃないかという不安を感じながらの鑑賞でした。


40歳も半ばを過ぎると肉体的にもだんだんと無理が利かなくなり、心も体も瞬発力が目減りしだす。
現実からの塩対応なんて嫌と言うほど経験しているし、自分が望む事と実際出来る事の落差なんてわかり切っている。
所詮クズはクズ。
幸せな未来、真っ当な生活、そんな「明るい人生」を選ぶことは出来ないのか?
テーマが重い!そして暗い!観てて身につまされる……と思いきや、スクリーンに映る彼らを観ているのが楽しい!


トレインスポッティング2


やはりこの作品の吸引力は凄い。
ダニー・ボイルの演出やアーヴィン・ウェルシュの原作を超え、4人のバカ野郎たちはスクリーンの中で20年間の時を生きていたんだなとしみじみ痛感。
当時残念だった愛すべき4人はおっさんになっても相変わらず残念だった。


トレインスポッティング2
おかえりクズたち!


トレインスポッティング2
中の人たちはすっかりスター


真っ当に生きようとするものの 結局世間からはじかれてしまったレントンが、再スタートで組む相手に選んだのはやはり悪友シック・ボーイ。


トレインスポッティング2
あっという間に意気投合


トレインスポッティング2
「あんたたちは過去に生きている」


再会後は大喧嘩するが結局一緒に行動する事になる二人。
幼馴染であり家族なんだなもう。
陰では裏切るような事を言いながらも、切るに切れない腐れ縁。彼らの生温いけれど愛憎渦巻く関係が心地よくもありイタい。


トレインスポッティング2
真っ当な仕事を選ばないのはもはやお約束か


今回事実上の語り部として物語をけん引するのはスパッド。
レントンが残した大金をドラッグにつぎ込み、すっかりジャンキーに成り果てていたスパッド。


トレインスポッティング2
悲惨なジャンキー スパッド


そんな時戻ってきたレントンと再会することをきっかけに人生を取り戻すチャンスを手に入れるんだな。
とにかくスパッドのシーンが愛しくて胸熱。主役はあんただよ!
頼りなく浅はかで頭悪いけど、(息子はハンサム!)これから生きていく希望や光を見出すスパッド。
良かったね~~~と感情移入して泣きそうだった。てか泣けた。


トレインスポッティング2
才能が開花するスパッド。 あんたが主役よ!


そして一番好きなキャラ、ベグビーの面倒くささがパワーアップしていた。
20年間服役していたベグビーはプリズンブレイクして家族と再会する。


トレインスポッティング2
壁の向こうでも大人しく無いのはもはや仕様


てゆーかベグビー結婚してたのか!びっくりだよ!
大学生の息子を裏の商売に引っ張り込むが、とうぜん息子は拒否る。
何のストレスかEDになり、そっちのムスコも拒否る。


トレインスポッティング2
真面目に生きたい息子を理解出来ないイタいベグビー


20年の壁内生活で世間から取り残された浦島ベグビーに残されたのは「マーク・レントンこのヤロウ」のみ。
レントン憎し、しかしあれは強烈な愛だな。


トレインスポッティング2
テメーーこのヤロぶっ殺す!!


わたしはずっとベグビーってメンタルゲイだよねと思っていたのだが、中の人ロバート・カーライル
「ベグビーはカムアウトしてないゲイとして演じた」って言ってる!


トレインスポッティング2
愛しちゃってるぞこのヤロぶっ殺す!!


レントンに対する強烈な依存、束縛、こだわりは、裏を返せば熱烈なラブコール。
20年前レントンが裏切った後ホテルの部屋をぶっ壊す程に激怒したのも愛憎故の行動だと思うと納得できる。
追い詰められ、選択肢の少ないベグビーのあれこれが可笑し悲しかった。


トレインスポッティング2
もー愛しまくっちゃってんだよねー


余談だけど実は鑑賞後ベグビーの夢を見た。
風の強い日にベランダの洗濯物がお隣に飛んでしまい、Tシャツを届けてくれた隣人がベグビーだった。
とてもいい人だった。
映画では相変わらず超面倒な人だったけどねベグビー。


トレインスポッティング2
Tシャツ飛んできてまっせ


「続編は残念」という映画あるあるが怖かったけれど、そんな呪いは関係なかった。
ダニー・ボイル独特の演出と、キレのある映像そして痺れる音楽。20年の時を経てもトレスポはあい変わらず魅力的だった。
諦めて人生投げたくなるけれど、つまずいても何とか立ち上がるんだというメッセージ。
しかもそれらがポジティブでは無くほろ苦いのがいい。
未熟だった内面は変わらず今も残念で、あの頃のチビTはもう入らない。
キラキラしてた何かも光を失っているかもしれない。それでも人は生きる。
イギー・ポップに合わせて踊るレントンを見ながら訳のわからない涙が溢れてしまった。
バカ4人と同じだけ自分も年を取り、そんなに上等な人間にはなれなかったけど、レントンと一緒にイギー・ポップを聞きながらわたしも踊るんだ。
やはりトレスポはいい!のだ!!


トレインスポッティング2
爽やか~~♪でもレントン一番クズ説確信だった



ふ~、珍しく茶化さずちゃんとレビュー。
前作のムーブメントにドンぴしゃ世代のわたしにとって特別な映画なのでちゃんとレビューしたかった。(てかいつもちゃんとレビューしてるつもりよ!)

トレインスポッティング2


当時どのタワレコもフロア全館にポスターが貼ってあって、CK1の薫りが漂う店内にサントラが鳴り響いていた思ひ出。
トレスポってそういうの全て込み込みで、スペシャルな作品になってるような気がするんだけど、ゆとり世代やアラサ―はどんな感想を持つのか気になるー。


トレインスポッティング2
あー懐かしい♪


あと大人になったシック・ボーイがショーン・コネリーの事を一言も口にしなかったのも非常に気になる。もういいの?


Sean Connery
シック・ボーイのアイコン スコティッシュにこだわるダーリン❤ショーン


では、さらば!!

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『たかが世界の終わり』 初ドラン、正直しんどい。

『たかが世界の終わり』(2016)カナダ=フランス
原題/Juste la fin du monde
監督/グザヴィエ・ドラン
出演/ギャスパー・ウリエル ヴァンサン・カッセル マリオン・コティヤール レア・セドゥ ナタリー・バイ


たかが世界の終わり



若手作家のルイは不治の病で死期が近いことを家族に知らせるため長く疎遠にしていた故郷へ帰省するが……。



『Mommy』『わたしはロランス』等で高い評価を受けるカナダの若手監督グザヴィエ・ドランの新作。
第69回カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した本作は、舞台劇『まさに世界の終り』を原作とした、ある家族の会話劇。



映画はギャスパー・ウリエル演じるルイのモノローグで始まります。
不治の病に侵され死期が近いルイはそれを家族に伝えるため12年振りに実家に戻る事に。
帰省は彼にとってある種苦痛である事が陰々滅々と語られます。


たかが世界の終わり
本当は帰省したくなかったルイ。


舞台は一転、ルイを出迎える家族たち。
久々に息子に会える事でうきうきとする母(ナタリー・バイ)。
生意気盛りの末っ子のシュザンヌ(レア・セドゥ)はそんな母に偉そうに口答えをする。
何が気に食わないのか不機嫌な兄のアントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)が始終カリカリと皆に噛みつき、そんな夫の様子をおろおろと窺う妻のカトリーヌ(マリオン・コティヤール)


たかが世界の終わり
なかなか話を切り出せないルイ


家族と久しぶりに再会したルイはリビングに通され皆の会話に受け答えをしながら、病気の話を切りだすタイミングを計るものの、なかなか言い出せないまま日曜のランチが始まり……。



今回わたくし初ドラン。
天才と称賛される彼の作風はどんなものか、全く予備知識無しで鑑賞しました。
原作が舞台劇だけあって、とにかく会話、会話、濃厚な会話で映画が進む
役者の演技が堪能できるので会話劇は好き。
しかし本作は会話の内容が、ちょっと何というか、普段から彼らはこんな感じで生活してんのか?と……。


たかが世界の終わり
KY気味な母がルイに求めるものは?


まず母ナタリーはかなりマイペースで、12年ぶりに息子が帰って来たためテンション上がりまくり。
とにかく人の話を聞かずガンガン喋る。
第三者だと明るいお母さんでいーじゃない、かもしれないが、ちょっとかなりうざい。


たかが世界の終わり
反抗期真っ只中? 生意気な妹


末っ子のシュザンヌは12年前に出て行ったルイの事をあまり知らずとにかく憧れに似た感情を持っています。
しかし生意気盛りの反抗期なのか、母ナタリーに結構な暴言を吐く。怒鳴り、口答えをする態度が観ていてイラっとする。


たかが世界の終わり
感じ悪いにも程があるアントワーヌ


そして極め付けが、長兄のアントワーヌ。
こいつが輪をかけて態度が悪い。
皆の会話にことごとく皮肉や暴言を吐き、会話を遮り、雰囲気を壊し白けさせ、ホントなんだコイツは?と正直辟易します。


たかが世界の終わり
ちょっ、マジで黙れ。


妻のカトリーヌが一人皆に気を使い、夫の態度にオロオロし、初対面のルイ(兄の結婚式さえ欠席している!)と親しくなろうと会話するのに、それさえもアントワーヌは横から話の腰を折り、場をぶち壊す。
ちょっとホント映画なんだけどうんざりしちゃって、何でこんな不愉快な家族喧嘩を観ないといけないのかとチラッと途中退場を考えてしまった程。


たかが世界の終わり
モラハラ、DVに近いアントワーヌの仕打ちに耐える。


しかし、ぎゃあぎゃあ言い合いをし、揉めてたくせに、ちょっと時間が経つと「ランチよ~」との母の声に応えテラスで日曜の家族ランチが始まったりするんです。


たかが世界の終わり
さっきまでぎゃんすか言ってたのに……


うん、そうだそうだ、家族ってそんなもんだ。
声を荒げて喧嘩をしても、暫らく経つと普通に喋って笑ったりする(場合によるけれど)。
そんな事を考えながら前半のイライラを乗り切る。


そう、わたし的にかなり修行映画だったのですよ。
人が声を荒げるのって誰でも嫌なもんでしょ。特にわたしは男性が怒鳴るのが苦手。映画と分かっていても怖いし不愉快。
それがほぼほぼ全編に渡り続くってかなりの苦行。
なんだこの地雷な映画。


たかが世界の終わり
過去の想い出が次々甦る


ルイはゲイで、彼が家を出て戻らなかった理由がそこにあるような臭わせかたをしています。
ルイの昔の恋人が癌で亡くなった事をアントワーヌがついでのように伝えるのですが、何か含みを感じる。
癌ではなくHIVだったのかも。
ルイの病気もHIVに起因するものなのかもしれませんが、どれもこれも臭わすのみなので、行間を読み取るしかない。
ドランが語りたい事にそれらは特に重要ではないという事なのでしょうか。

たとえ家族でも合う合わないがあって、必ず分かり合えるとは限らないという事を言いたいのか。
まあそれはあるだろう。うん。
それに家族や恋人、友人、近しい人が居ても、人は死ぬときは独りになってしまう。そうも言いたいのか。
孤独感からは逃れられないものだという事を言いたいのか。

会話、会話、怒鳴り合い、喧嘩、それらが顔面どアップの映像でがんがん迫りくる圧迫感。
下手したら、過去自分が家族と喧嘩したりモメた時のイライラ、腹立ちがフラッシュバックしかねない。
『八月の家族たち』も似た題材で、毒舌家族の喧嘩にうんざりしながら観たけれど、息抜きの笑いが用意されていたしそこまで苦痛がなかった。
ベネちゃんのピアノ演奏ラブリーだったしね。

しかし本作は救いがない。
息苦しくて、ちょっといつまでこれ我慢しないといけないの?
辛い、しんどい~~……と。
でも、その感覚こそがルイの心情なのか!と気づいたとき、
「あ、映画に取り込まれてるんだ」と思った。
初ドラン、正直二度観たいと思わない。
でも記憶に残る作品でした。


たかが世界の終わり
せめて目の保養。タイプじゃないがwww

ギャスパー・ウリエルの憂いのある美しい顔は福眼。
暗いけど。
静かな演技も良かった。
マリオン・コティヤールの健気が服着てるみたいなカトリーヌの演技もさすがだし、レア・セドゥのシュザンヌはとにかく生意気さ爆発でこんな娘大嫌い!と思うのはそれだけキャラに血が通ってるってことか。


しかし何が一番刺さったかって、ハシビロコウみたいな顔したヴァンサン・カッセルの演技。
家族を押し付けられたと感じているアントワーヌはどうしてもルイを許す事が出来ない。
食事をしても、ドライブに出ても、二人で喋っても、最後の最後まで優しく対応できない。
彼の態度は観てて本当にイライラする。
クソむかつく。
なのに彼が弟を愛しているのは痛いほど伝わる。
母のセリフ「理解はできない。でも愛している」を、これほど演技で見せつけられたらもう何も言う事はございません。
ヴァンサン・カッセルやっぱ上手いわ。
だてに尖がった鼻してないわ。


たかが世界の終わり
一緒に胸が張り裂けそうになったよ。


白状すると鑑賞後は、かなり胸糞だったんですが、この日は天使ファスの『アサシン・クリード』の舞台挨拶の日で!
スマホにドカドカ落ちるファス情報で頭ぱーーーーんなって家に帰った頃は映画の胸糞感想飛んじゃってwww


20170222225030f04.jpg
ありがとーファスありがとー!!


でも数日経って、またじわじわと蘇ってるんですよね。
普通こういう事ってそうそう無い。
ドラン……恐ろしい子……。
好き嫌いは別としてやはり衝撃的だってことですね。
過去作観てみようと思ってます ハイ。
ではまた、さらば。

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

tag : ギャスパー・ウリエル ヴァンサン・カッセル

『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』コリン・ファース「英国男優総選挙」一位記念

『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』(2016)イギリス
原題/Genius
監督/ マイケル・グランデージ
出演/ コリン・ファース ジュード・ロウ ニコール・キッドマン ガイ・ピアース ローラ・リニー ドミニク・ウエスト 他


ベストセラー


やり手編集者マックス・パーキンズ(コリン・ファース)の元に無名の作家トマス・ウルフ(ジュード・ロウ)の原稿が持ち込まれる。
ウルフの才能を見抜いたパーキンズは親身に彼を支えながら処女作を出版、ベストセラーへと導くのだったが……。




1920年代、ヘミングウェイやフィッツジェラルドを世に送り出した名編集者と、鮮烈な文章で「Genius」と評された若き作家の友情と半生を描いた作品。
奇しくも先日の「英国男優総選挙」で一位!!に輝いたコリン・ファースの新作を観てきました。
おめでとーコリン!
共演は前髪離れ孤島化が危惧されているジュード・ロウ
監督のマイケル・グランデージはロンドンの舞台演出出身です。



1920年代のニューヨーク、ヘミングウェイやフィッツジェラルドの才能を見出し作家として世に送り出した名編集者マックス・パーキンズ。
彼の元に無名の新人…というか出版歴ゼロのトマス・ウルフが原稿を売り込みにきます。


ベストセラー
こんちわ!!僕の原稿読んで!!


情熱に任せて書かれた原稿は大量でもの凄い枚数。
しかし文章の中に光る原石を見出したパーキンズは「出版しよう」と契約を交わすんですね。
ウルフの文章は溢れんばかりの情熱が込められた語り口。
しかし言い方を変えれば思いが重すぎてくどいwww
ダラダラ同じような表現が続き、一つの事象を伝えるのに何十ページも費やしたりしてる。
おお、これってまさにわたしが翻訳本が苦手な大きな理由!!
比喩やら暗喩やらだらだら続くあれが苦手でさ~www


ベストセラー
この表現要らん! このキャラ好きだから語りたい!


あ、で、そんな語りは熱いがまとめ能力のないウルフを導くパーキンズの添削は、自らが赤ペン先生で手を入れることなく、ウルフ本人が答えを出すように舵を取り導くんですね。
きっとパーキンズ本人が文才ありありだったんでしょう。


そうやって生まれた処女作「天使よ故郷を見よ」はべストセラーとなり、ウルフは一躍文学界の寵児となります。
引き続きウルフは大量の書きかけ原稿(半端ない枚数!!)を持込み、またもや削除、書き直しの繰り返し。
本を仕上げる為に共に意見を交換する2人の信頼関係は作家と編集者を超え、さながら親子のよう。


ベストセラー
ジャズクラブに繰り出す二人。 音楽もいーよー。


パーキンズは愛する家族(妻と娘が5人!)との団欒を犠牲に、ウルフは愛人でありパトロンの舞台装飾者バーンスタイン夫人(ニコール・キッドマン)の激しい嫉妬に悩まされながらも、2作目「時と川の」を完成。
またもや大絶賛のウルフは文学界の「Genius」として囃し立てられます。
パーキンズとウルフの蜜月は長く続くように見えるのですが……。


ベストセラー
二人の友情はずっと続くかに思えるのですが……


大量の文章の中から光るフレーズを選択し、残りをばっさり切り捨てる編集過程はまさに生みの苦しみ。
編集と言う作業の尊さをしみじみ感じます。
駆け出し作家の原石文章を宝石にするのに、編集者の手腕は大きな割合を占めたのではないでしょうか。

しかしそれを編集者パーキンズ無しではベストセラーは無し得なかったと揶揄され、意地になって反発するウルフ。
その態度は親離れをしようとする子供の姿を彷彿とします。
芸術家の栄枯盛衰を凝縮するように体感するウルフの人生はさながらジェットコースターのようでした。それが降りる事のなかったジェットコースターってのが切なす。


ベストセラー
コリンは安定の演技力だねー


パーキンズを演じるコリン・ファースの演技は安定のグッジョブ。
ウルフに対する想いは仕事を超え、まるで息子のように愛情を持って見つめていたであろうパーキンズの内面が物静かな佇まいや表情から溢れ、さすがとしか言葉がないね。
5人の娘と妻と過ごす騒がしい家の中で、クローゼットに籠って読書する様子は「お父さん、場所ないのね~」って感じだけど、騒がしいけれど家族を愛している素敵なパパっぷりが感じられてとても魅力的だった。
流した涙に釣られなきしたよ💧


ベストセラー
ハンサム復活ーーー!!!


一方ウルフを演じたジュード・ロウ
わたし彼の演技を観て「あ、いいな~」と思ったの、『ガタカ』以来かもしれん。
ひぇ~、ひっさしぶりすぎか!大根とかそんなことは微塵も思ってませんよ!
上手いけど、初期の頃の衝撃的なフェロモンとか魅力がだんだん消えてきてるな~と。
しかし本作のウルフの大胆ながら繊細、大声で自信たっぷりに見えながら内面の脆さ、危なっかしさが溢れるキャラ作り、素晴らしかった。
天才肌のある種気難しいウルフという人物が非常にチャーミングに見えたのは、ひとえにジュード・ロウの表現によるものだと思います。


ベストセラー
美しい。 きっと大金使ってるね


ウルフに首ったけでちょっと病み入っちゃってる愛人のバーンスタイン夫人を演じたニコール・キッドマン。
この人病んでる演技特に上手いと思いません?
キャラは重くて面倒なバーンスタイン夫人だったけど。
ま~安定の美しさ。ちょっと美しすぎて怖いわ。
かなりケミカルやってるよね?
素でこの美しさ無理だよね??
ハリウッド、恐ろしい。


ベストセラー
普通のガイピ、久しぶりでない?


久々に素顔を見たような気がした、chacoさんお待ちかねのガイ・ピアーズも病める嫁に翻弄される没落フィッツジェラルドを、さすがの肩の力の抜けた演技でしっかり華を添えておりました。
もっとガツンと出演作観たいな。


ところで、このトマス・ウルフって作家。
ん~~全く知らなんだ。不勉強ですんません。
1920年代後半から1930年代にかけて一世を風靡し、当時落ち目だったフィッツジェラルドを小ばかにしたような態度を取り、飛ぶ鳥落とす勢いだったのに。
2016年、みーすけはフィッツジェラルドは知ってるけどウルフは知らない~~。
あ、読書家の方はご存じかもしれませんね。
でも、名声って儚いものだなぁぁと何だか切なかったです。
ちょっと興味湧いたので、トマス・ウルフ読んでみようかなって思いました。


あ、最後に一言。
ジュード、あんた 植毛したね。


ベストセラー
ん????


さらば!!!

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

tag : コリン・ファース ジュード・ロウ

シングルマン 錆びた映画脳に潤い

どーもー!みーすけです。
さて、ここ数か月、「傑作!感動した」「素晴らしい作品だった」「最高に面白い!」等々評判のよろしい劇場公開作品を何作か鑑賞するも、

「うーん、あんま響かないなぁ」「そこまでいいか?」「なんかイマイチ」

って事が続き、これは自分の感性が鈍い?審美眼が錆びた?とけっこう凹んで、しばらく劇場鑑賞控えようかなぁと真剣に悩んでたんですが。
HDDの整理をしていて本作と目があって久々に再見。それこそ心が震えて涙が止まらなくてそーかここ最近に観た作品は単に自分の感性に合わなかったんだなって安心できたよ。トム・フォードありがとよ、これからもヨロシクな ←上から

数本の書きかけ新作レビューより今回はこれ、『シングルマン』です。


A single man


『シングルマン』(2009)アメリカ
原題/A Single Man
監督/トム・フォード
出演/コリン・ファース ジュリアン・ムーア マシュー・グード ニコラス・ホルト



キューバ危機下にある1962年のロサンゼルス。
イギリス人の大学教授ジョージ(コリン・ファース)は16年来のパートナーだった最愛の男性ジム(マシュー・グード)を交通事故で亡くし、失意のどん底にいた。
生きる価値まで見失ったジョージはその日自殺の準備を進めるのだったが……。


A single man
最愛のパートナーを亡くした大学教授


A single man
二人の恋愛は家族に認められず、葬式の参加も拒否られてしまう 辛すぎ💧


世界的なファッションデザイナー、トム・フォードの映画監督デビュー作は、キューバ危機真っただ中のアメリカ西海岸を舞台に、恋人を亡くし失意の底にいる大学教授が死を決意し自殺するために準備を進める「ある1日」を描いた作品です。
主人公の大学教授ジョージには目を見張るほど素敵にスーツを着こなしたコリン・ファース


A single man
身体も絞って頑張りました


映画冒頭水の中でもがくジョージの姿が。
暗い水中で必死にあらがっても、深い水底から浮き上がることはできない。
恋人ジムを喪った悲しみで息をするのも苦しく、まるで溺れているような日々を過ごすジョージの心象風景です。


A single man


さらに実際は目にしていない事故現場で、横転した車から投げ出され瞳孔の光を無くし冷たくなっているジムに口付ける夢を見るジョージ。


A single man

朝が来ると身体は勝手に目覚め、また同じ虚無の日を過ごさなければならない辛さ。


A single man
目覚める度に感じる喪失感 これは辛い


愛する人のいない日々は苦しく無味乾燥で色褪せている。
生きることに絶望したジョージは、自殺する事を決意し朝から準備を進めます。
遺書をしたため、葬式用のスーツや靴を用意し、ネクタイの締め方までメモで指示するジョージ。


A single man
彼を取り巻く日々は色味を無くしている


ところがいざ死ぬことを覚悟したとたん、グレーの世界にも色味がある事に気づくジョージ。
ドラッグストアで出会った青年と一緒に吸うタバコの美味しさ。


A single man
バックが『サイコ』の看板ってのがツボだわー。


A single man
素敵な青年にうっとり。 この人ルーク・エヴァンスの元カレ


疎ましかった隣家の少女の愛らしさ。


A single man
一気に画面に溢れるブルーに目が覚めるよう


そして授業に出席しているケニー(ニコラス・ホルト)と語らう楽しさ……。
恋人ジムとの思い出に浸りながらも、生きる事の喜びをもう一度見つめ直そうとするジョージなのですが……。


A single man
B.Bみたいな女子よりも美少年!


表現する事に秀でた人はファッションだろうが映画だろうがセンスあるものを創れちゃうんだな。
トム・フォードが創りだす洗練された映像スタイルは初監督作とは思えないほど秀逸。
たとえ過剰に趣味に走っていても、ステレオタイプなお洒落感だとしても、ものっ凄く分かりやすい演出だとしても、トム・フォードこだわりの美学とセンス溢れるそれらに息を飲みます。


A single man
リラックスした二人 ホントに幸せそうなのに....


特筆すべきは画面の色。
失意のジョージが目にする日常は、彩(いろどり)に欠けグレーッシュにくすんでいます。
ところが一転心ときめかすモノを目にした途端、ハッとするほどヴィヴィッドな色が画面に溢れ、世界は光と色彩に染まります。
それは例えば、上半身裸でテニスに興じる生徒だったり、少女のブルーのドレスだったり、赤や黄色の鉛筆削り、フォックステリアの愛らしい瞳。
皮肉にも死を決意した事で、逆に自分の周りに愛しい事柄がある事に気づくジョージ。
色彩で表す演出は分かりやすい。でも、だからこそストンとこちらに伝わるんですね。


A single man
モノクロな思い出


今はどん底に辛いけれど、いつか悲しみは思い出に変わり明るく彩られた日々が戻るかもしれない。
ソファーで眠る天使のようなケニーを見つめるジョージの心に暖かな想いが溢れ、彼の世界は明るい色に染まります。


しかし皮肉な運命は黒い口を開けてジョージを待っている。
これ、かなり鬱なエンディングです。
えええーー?!今それが起こるかーー!?って。
静かにジョージに近付く黒靴の足先を見ると、もう胸がギュッと締め付けられて、もぉぉ~~!
泣ける.....。
しかしなぜかそこまで気持ちが落ち込まない。
哀しく、切なく、でもほっとした気持ちにもなる不思議なラスト。
優しい口づけに癒されました。



役者の演技もこれまた素晴らしい。
コリン・ファース
監督自らデザインしたミラノ製スーツをびしっと着込み、時代感溢れる黒メガネはまるで『国際諜報局』のハリー・パーマー=ケイン様!
てか、この姿が『キングスマン』配役への布石になったに違いない。
喪った愛の大きさに嘆き、なんとかもがくジョージの可哀想が堪らん。


A single man
細かい仕草や表情で内面が伝わる流石の演技力


ちょっとした目の表情やセリフの言い回しに愛情やときめきを感じる繊細な演技は、さすがオスカー役者の面目躍如ですね。
もうホント素敵、としか言いようがない。



共演のジュリアン・ムーアが演じる蓮っ葉なのに脆い女性チャーリーはハマり過ぎ。


A single man
「元カノ」で今も親友という微妙な立場


『アバウト・ア・ボーイ』後 あっと驚く美青年に成長した当時19歳のニコラス・ホルトにも驚いた。可愛いくて♪ジョージがメロってなるの分かる。


A single man
あの前髪パツンが美青年に成長だもんなー、当時ビックリしたなー


しかし今回声を大にして言いたいのは、


マシュー・グードはいいぞ!!   です。


A single man
目です、目力!!

事故で亡くなる恋人のジムを演じるマシュー・グードの目!
何度も言うけどわたしはこの人の瞳孔開きっぱみたいな青い目が大好き。
本作では無垢で可愛い年下彼氏の役だけど、パク・チャヌク監督の『イノセント・ガーデン』を観た時に「ああ!この監督分かってる!!と思った。


A single man
もっと怪しい役やってくれーー 絶対似合うよマシュグ


マシュグのあの青い目は、深く暗い何かを秘めてる危ない色が似あうんだよ~。
ワンコと遊ぶマシュグも可愛いけどね♪


A single man
確信犯的に可愛すぎか


さて、錆びかけの映画脳をONにしてくれた本作。
英国役者バンザイ!って事で。
書きかけの新作映画の記事でも仕上げますかぁぁ。


では、さらば!!

テーマ : 好きな俳優
ジャンル : 映画

tag : コリン・ファース マシュー・グード

『ブルックリン』アイリッシュガールのあしたはどっちだ?!

『ブルックリン』(2015)アイルランド=イギリス=カナダ
原題/Brooklyn
監督/ジョン・クローリー
出演/シアーシャ・ローナン エモリー・コーエン ドーナル・グリーソン 他


Brooklin


1950年代、アイルランドの小さな町に住むエイリシュ(シアーシャ・ローナン)は姉の計らいでニューヨークに移り住むことになる。
アイルランド教会の支援でブルックリンの高級デパートで働き出すエイリシュだったが、都会の暮らしに慣れずひどいホームシックになってしまう。
しかしパーティーで出会ったイタリア系移民の青年トミー(エモリー・コーエン)と出会い恋をする事で見違えるように生き生きとするエイリシュはニューヨーカーとして日々を過ごすのだった。しかしそんな彼女のもとに故郷から突然の悲報が届き・・・。



50年代、アイルランド移民の少女の青春と成長を清々しく描き第88回アカデミー賞で作品賞、主演女優賞、脚色賞にノミネートされた本作。
監督は『ダブリン上等!』のジョン・クローリー、脚本は『アバウト・ボーイ(大好き!)』等の原作者であり『17歳の肖像(これも大好き!)』のニック・ホーンビィ。
主演は『つぐない(大好きだけど嫌い!だけど好き!)』で印象的な美少女を演じたシアーシャ・ローナンがすっかり大人の女性に成長して主人公エイリシュを演じています。



アイルランドに住むエイリシュは姉の計らいで教会のつてを頼りアメリカへ移住することに。
しかし故郷アイルランドの小さな町しか知らないエイリシュは大都会ニューヨーク・ブルックリンでの生活になかなか馴染む事が出来ません。

Brooklin
アイルランドからの大勢の移民のうちの一人エイリシュ


高級デパートの接客でも笑顔でスムースな会話をする事ができず、姉からの手紙を読んでは郷愁を募らせホームシックに拍車がかかるばかり。
そんなエイリシュを見て移民の統括をしている教会のフラッド神父(ジム・ブロードベント)は彼女に大学へ通い会計を勉強する事を勧めます。


Brooklin
もー辛くて働けましぇぇぇん……💧


少しずつ世界を広げだしたエイリシュはとあるパーティーで知り合ったイタリア系移民のトミーと出会い大きく変わる事になります。


Brooklin
「命短し恋せよ乙女」ね!


恋愛する事で心が浮き立ち、自分にも自信が持て、自然仕事も勉強もはかどり、どんどんと明るく美しくなるエイリシュ。


Brooklin
ドヤぁぁ。この変わりよう!!


将来を誓い合った二人の前途にしかし暗雲が立ち込めます。
故郷アイルランドから思いもよらぬ悲報が届き、エイリシュは急ぎ帰省することになるのですが・・・。


Brooklin
恋人たちに訪れる試練とは??


アイルランドの移民系映画は『イン・アメリカ』や『アンジェラの灰』等、良作だけれど超貧困とか背負った家族の重みとか、暗い!重い!不幸~!みたいな印象が強かったんですが。
ところが本作は若いエイリシュが新天地でニューヨーカーとして成長する感じがポジティブで、貧困や貧乏で食べるものにも困って……的なエピソードが出なくて、ちょっと新鮮だった。


Brooklin
田舎の娘がすっかり洗練された女性に……


それに時代設定が大好きな50年代中頃~なのでファッションや音楽も素敵でエイリシュと一緒に楽しむことが出来ました。

で、本作がいわゆる移民物とちょっと違うのが、ある理由があってエイリシュが途中アイルランドに里帰りするという設定。
アメリカナイズされた主人公が故郷に戻り新たな目線で世界を見るというストーリー。
アメリカでの生活に慣れ、戻ってきた故郷は、辛い思いでもあるけれど堪らなく懐かしくもある場所。
以前は無かったスキルと知らず成長したマインドで、自分を拒絶していたと思っていたアイルランドが、帰省を優しく迎えてくれることに知らずウキウキとしてしまうんですね。

Brooklin
故郷での思わぬ出会い…… きゃーードーナル君❤


アメリカで待っていてくれる愛するトミーの事を考えると心苦しくもありながら、彼女が戻ったことを喜ぶ家族の顔を見るとさっさと戻る事ができないエイリシュ。
そんな時ジム・ファレル(ドーナル・グリーソン)という魅力的な男性と出会いトキメいてしまうんですよね~。


Brooklin
アイリッシュボーイ、ジムとの出会いで揺れる乙女心。 ドーナル君素敵❤


二つの国にそれぞれ想いがある故に、揺れてしまうエイリシュの心。
そして最後の彼女の決断は??
「え?!あ、そーなのかい!」とちょっと意外だったけれど、まー、そーだよね、真っ当だよね、そーするよね、とわたしは納得できました。
結構この「あなたならドースル?」な感じが鑑賞後頭をグルングルンして、妄想シュミレーションが楽しかったんですよねー。
いや、だってさー、そこでそっち行っちゃうのはやっぱなー、んーー好みはなーそれだけどさーー、やっぱそれはあまりにもねー、とかねー、と。
頭の中渦ぐるぐる巻いたけど、これ、観た人にしか分かんないあれやこれやだよね、へへ、観てwwwww

わたしは地元で脛齧り組みですが、実家を遠く離れてる方、日本を離れ海外で生活してる方なんかは、また違った感慨があるのではないでしょうか。
暖かく素敵ないい映画でした。


さて、主演のシアーシャちゃん。


Brooklin
うう!この透明感な! この子が……


『つぐない』のあの少女がもうすっかり大人だもんね。いや、ホント欧米人の成長の早さ怖い。
彼女まだ21~22歳なんだけど役作りなのか、けっこうなドスコイ体系でちょっとびっくりした。
きっとエイリシュはこの後子供をいっぱい生んでどっしりしたアイルランドの肝っ玉母ちゃんになるんだろうなーって雰囲気満載だった。彼女けっこうデカいしね。


Brooklin
かんわいかったなぁぁ~❤ こーなって


しかし『ラブリー・ボーン』での美少女の透明感は健在で、ホームシックで接客しながらさめざめと泣くシーンなんてこちらももらい泣きしそうなほど儚げでさ~。


Brooklin
キメっっっ!!! すっかり大人の女性になっちまったな。


それからエイリシュのイタリア人の恋人トニーを演じるエモリー・コーエン。
お初だわ、知らんわ~『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』出てんの?息子の役かな?
イタリア訛りがキュートでいいじゃーないか。
エイリシュへの一途な想いが溢れる表情が可愛くてイーーーーってなった。
シアーシャがデカくてエモリー君が小柄で、肩を寄せて歩くシーンなんかで、セミが木に止まってるみたいに見えたのはワシの目の錯覚ってことで・・・。


Brooklin
ほら、やっぱシアーシャでかいってば


そして本作はまたもやドーナル君が出演しているのです。
半分くらい過ぎた辺りでイキナリ出てくるドーナル君。
いつものちょっと奥手だったり、事件に巻き込まれてあうあうしたり、煮えきらなくてウニャウニャする、なんとなくそんなイメージのドーナル君はいません!


Brooklin
今回のテーマは王子様!!

例えるならば、王子様とか良家のご子息!!
彼の背後から気品が溢れておった、参った。
あのオーラってプライベートのカンバーバッチとかから出てるアレだわ。
いやホントに今回のドーナル君の役どころはそんな感じなんだよ!
凄い。また化けやがったドーナル君。
ホント何度も書いちゃうけどさー、ドーナル君、今後ドーナル?っていじってたのがつい1年~1年半前。
お父さんの七光りあり?なんて多少穿った見方もしてましたが、彼は本物ですね。
役者としての器がすこぶる上等だわ。これからもこのまま真っ直ぐ役者道を貫いておくれよドーナル君と願うばかりだよ~ん。

ではここらで、ドーナル君のオフショットを見ながらお別れしましょう。

さらば!!


Brooklin
パパと~~


Frank
ファスと~~~

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『ルーム』 希望があって天使も出るよ

『ルーム』(2015)カナダ=アイルランド
原題/Room
監督/レニー・エイブラハムソン
出演/ブリー・ラーソン  ジェイコブ・トレンブレイ  ジョアン・アレン  他


Room



ママと二人「部屋」で暮らすジャック。
「部屋」の上に一つだけついている天窓から光が入ります。
朝目覚めたら、「おはよう」の挨拶。
「おはよう電気スタンド」、「おはよう洗面台」、トイレ、机、ベッドの下の卵で作った長いヘビ。
みんなに挨拶したその朝、ジャックは言います。
「僕、5歳になったんだよ」。


Room
ジャックはその日5歳になりました。


小さなこの空間がママとジャックの全て。
ジャックは「部屋」の外に出たことがありません。
外には空っぽの宇宙があるだけで、出ると死んでしまうとママに教わりました。


Room


でも5歳の誕生日のあと、ママはジャックに言います。
「ママの本当の名前はジョイ。」
「この「部屋」の外に「ホンモノの広い世界」があるの。」
「ここから出るのよ!ママを助けて!」と・・・。


Room
心が壊れる前に……


エマ・ドナヒューの小説「部屋」を、『FRANK-フランク』(因みに主演役者は天使)のレニー・エイブラハムソン監督が映画化。
昨年のサンダンス映画祭で上映されるや絶賛の嵐。
主演のブリー・ラーソンは早くから賞取りレースのトップを走っていましたが、今年のアカデミー賞の主演女優賞始め、数々の賞を受賞しました。


若い女性が誘拐され、7年も監禁され、犯人との間に出来た息子と二人「部屋」で生活するという事前情報に、「重量級に重い内容じゃん・・・」と及び腰になり鑑賞がすっかり遅くなってしまった。
くっそ!さっさと観りゃ良かったぜ!
本年度上半期の1位・・・、あ、ファスジョブズやファスベスがあるから暫定2位?3位?
とにかく!いい映画でした!


Room
天窓の外には何があるの?


5歳の少年ジャックが誕生日をむかえた朝から始まる物語。
ジャックは日々「部屋」の中でママと二人で過ごしています。
「部屋」は狭く、ベッドとテーブル、小さなテレビと狭い台所、シンクとバスタブがあるだけ。
そこでジャックとママは起きて、食事をして、歯を磨き、ストレッチや運動をし、風呂に入り、洗濯をして、眠りにつきます。


Room


二人が監禁状態にあるのは映画が始まってすぐにこちらには分かるのですが、かなりそれが衝撃。
夜になりママの時計のアラームが鳴るとジャックは狭いクローゼットの中のベッドで眠りにつきます。
そのうち「部屋」のセキュリティボタンのキー音がして、重く大きな扉が開く音が聞こえ、「部屋」に男、オールド・ニックが入ってきます。
うとうとするジャックにママとオールド・ニックの会話がぼんやりと聞こえてきます。
やがてクローゼットの外の明かりが落ち、ギシギシというベッドの音が鳴るのを聞きながらジャックは眠りに落ちていきます。


Room
ジャックの可愛さが唯一の救いだよ……


クローゼットの中とは言え、小さな子供が寝ている同じ部屋で女性を凌辱する男の行動に、嫌悪感で体中鳥肌が立ちました。
ジャックにとっては、まだ意味が分かっていなかったとしても、そんな事が日常だというのがショックでした。
そしてジョイが犯人とジャックを出来るだけ接触しないよう頑張っている姿が健気で痛々しくて辛かった。



救いなのは度々挟み込まれるジャック目線のモノローグ。
無垢な瞳で語られる日々は、本来殺伐とした監禁生活のはずが、何やら不思議の国のおとぎ話のように感じるのです。
母のジョイではなく、ジャックの目線で物語が進むからこそ、観客は若干第三者的目線で落ち着いてストーリーを追えるんだなと思いました。


Room


最初の物語のハイライト、命を懸けた決死の脱出劇とその過程を是非観てほしい!
あの緊張感。
初めて「部屋」以外の世界と接触を持ったジャックの瑞々しい感性を一緒に体現するようなカメラワークと編集。
エイブラハムソン監督の才能に感服です。
ジャックの目と一緒に、”初めて見た”外の世界の美しさ、怖さ、そして世界は刺激に溢れています。
ジャックとシンクロして見る世界は美しかった。


Room
始めて触れる自然


通常ならば監禁から脱出するところで終わる映画が多いでしょう。
しかし、この映画の本当の主題はそこから始まります。
いきなり現実の世界に飛び出したジャックとジョイ。


外の世界を全く知らなかった籠の鳥のジャックの戸惑いは想像出来ないほど凄いものでしょう。
怖がりながら、でも好奇心と周りの人間の愛情に支えられぐんぐん水を吸収するスポンジのようなジャックの存在に頬が緩みます。


Room


逆に監禁生活から現実世界に戻れたジョイの心のトラウマは、なまじ大人だからこそ大きく、深く、そのリバウンドのせいで苦しむ様がこれまた痛々しい。
あれほど戻りたかった外の世界なのに、7年という時間の重さ。
一気に押し寄せる世間とのずれや負荷、現実の世界の厳しさがジョイを苦しめます。


Room


ウィリアム・H・メイシー演じる父親は愛する娘を凌辱した犯人との間に生まれたジャックをどうしても精神的に受け入れる事ができません。
ジャックの顔を見ることも、話しかけることもできない父親とジョイは決裂してしまいます。


心無いマスコミの下品で意地の悪いインタビューのせいで心を折られてしまうジョイ。
もー、ホントそっとしておいてあげて!と思う。
きっと今後も問題は山積みでしょう。
無理解な世間やハイエナのようなマスコミ。
ジャックが成長し自らの出生の意味を理解できるようになったら?
大きな壁に何度も衝突するであろうことは、安易に想像できます。
それでも尚、それら問題を乗り越え頑張って生きていくだろう、という希望が映画に溢れているんです。
ジョイの母としての強さと、ジャックの無垢な魂の温かさ、家族の愛のありがたさ、そんなものに涙を抑えることが出来ませんでした。

ラストの二人の呟きに頑張って幸せになって!と祈らずにはいられませんでした。
ホントいい映画でした。


Room
27歳でのオスカーゲット
だよ。

母ジョイを演じたブリー・ラーソン。
何度も何度も折れそうになる心を奮い立たせ頑張る姿。
自らに降りかかる残酷な運命のふり幅の大きさに戸惑い、揺れ動き、それでも前に進もうと頑張るジョイを清々しく演じていて、ホント良かった。
生肉なんか食わなくても、アカデミー賞取れるんだよwww(毒)
彼女の出演作二作しか観てない。でも印象無いなー。
『21ジャンプストリート』出てた?教員の娘役かな?『ドン・ジョン』は……おお!喋らない妹か!
注目の『ショートターム』が未見はヤバいよね。
これから追っかけです、うん。


Room
もぉぉぉぉ……この愛らしさ!!


さて、特筆すべきはジャックを演じた ジェイコブ・トレンブレイくん。
あえて言います。
「上手に」演技する子役にかなり厳しい目線のわたしですが、とりあえずこの子には脱帽。
見た目が可愛いだけでないんです。
なんだこりゃ、この自然な演技!!


Room
天使


天窓からの明かりに手を伸ばしながら、必死にママが言っている事を理解しようとするジャック。
天使です。
見た目も映画の中での存在もキャラ付けもまんま天使。
参った。
お代わりした大きな理由が、もう一度ジャックを観たかったからってのが自分でちょっと信じられないよ。
無垢で健気で可哀想で最高に可愛かった


Room
この可愛さ、大人気でしょーともよ!


しかし欧米のお子は成長が早いので、この天使の少年もあと1~2年ですっかり青年になってしまうんだなー。
美少年美青年あんまり興味ないな~。
早くセクシーなおじさんになって帰ってきておくれwww


Room
おじさん好きのスイッチ入ったぜ


おじさんと言えば……。
個人的に、ジョイの母の再婚相手、レオを演じてたトム・マッカムスにスイッチ入ったんですけどーー!
なんだこの苦み走った、セクシーなおっさん。
カナダの役者さんなのか。
世界にはまだまだセクシーなおじさんがたくさんいるね~❤

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

『レヴェナント 蘇りし者』 ディカプリオ 肉を食らって オスカーゲット 字余り

『レヴェナント:蘇りし者』(2015)アメリカ
原題/The Revenant
監督/アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
出演/レオナルド・ディカプリオ  トム・ハーディ  ドーナル・グリーソン 他



the revenant



1800年初頭、西武開拓時代のアメリカ北西部。
毛皮のハンターチームに雇われたヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は、ネイティブアメリカンの妻との間にできた息子ホークと共にガイドとして同行していた。
ところが狩猟の最中に熊の襲撃を受けたグラスは瀕死の重傷を負ってしまう。
隊長のヘンリー(ドーナル・グリーソン)は負傷したグラスを運び極寒の荒野を進むことを断念、金と引き換えにグラスが死ぬまでを見届け埋葬する者を募る。
名乗りを上げたジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)は、なかなか死なないグラスに痺れを切らし、無理矢理自らの死を選ばせようとするのだったが・・・。


the revenant
復讐の為に蘇ったグラス


昨年『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー作品賞を受賞したアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督が、西部開拓時代の実在のハンター、ヒュー・グラスの半生を綴った小説『蘇った亡霊:ある復讐の物語』を映画化、2度目のオスカー監督賞を受賞しました。
主演のレオナルド・ディカプリオは本作で悲願のオスカー主演男優賞を獲得したのは記憶に新しいところ。
ヘビーだろうなーと覚悟して臨みましたが、いやはや壮絶な映画でした。


アメリカ北西部の極寒の地で、仲間に裏切られ息子を殺された主人公が復讐の鬼と化し相手を追い求め荒野を彷徨うサヴァイバル。
3年連続でアカデミー撮影賞を獲得したエマニュエル・ルベツキのカメラは縦横無尽に動き回り、筆舌に尽くしがたい迫力の映像。


the revenant
情け容赦の無い戦闘シーン


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ナショジオか?


映画の冒頭、林の中でキャンプしている白人グループにネイティヴアメリカンがいきなり弓攻撃してくるんですが、これどーやって撮影したの?って思いました。
『バードマン』でも話題になったルベツキ印の途切れない(ように見える)カメラワークは更にパワーアップ。
地面から人間の目線の高さへ、次に上空を見上げたあとそのまま空へ移動し鳥瞰と、滑らかに移動するカメラはリアルな目線のようで現場に居るような臨場感を感じます。
空から急降下、360度回転、時には上下逆さまに動く映像に乗り物酔いになりそうな浮遊感。


the revenant
ディカプリオは全編このような悪鬼顔


映像は地獄絵図。
矢が刺さり、斬られ、殴りかかり、血を流し、ばたばたと倒れる人々。
臨場感が半端ない。


the revenant
とにかく寒そうで!観てて震えた。


更にマジック・アワーにこだわって撮影したという映像は青く暗く温もりが無く、森羅万象を傍観する何か絶対者の視線のように感じます。


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自然を捉えた映像は言葉を失う程に美しい


大自然の前では人も動物も等しく平等。
力のあるものが生き残るのが自然の摂理なんだなとしみじみ感じました。


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ほんとナショジオ?って思うほど惣元


the revenant
命より大切だった息子を奪われる辛さ


唯一つの拠り所だった息子を殺されたグラス。
普通そこ死んでるよね、な状況から文字通り蘇っちゃいます。


the revenant
本当は死にたいだろうに死ねない辛さ


息子の遺体に寄り添い、暖も取れない状況で、瀕死の重傷を負いながらも、死ぬことが出来なかったグラス。
あれは辛い。
凍えるような夜が明け、目が覚めると傍らに冷たく凍った息子の死体。
ほんと辛い。
メラメラと復讐心に火が点き、不自由な躰に力が湧くグラス。
フィッツジェラルド許すまじ!這いずりながら前進するグラス。
息子が事故やネイティブの襲撃で命を落としていたら、グラスは死んでいたのではないでしょうか。
彼を生かす糧は皮肉にも彼から全てを奪ったフィッツジェラルドへの憎悪。人の怨念執念って凄いよ。


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グギギギギ!!!


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鬼畜のフィッツジェラルド


追う立場のグラスですが、容赦のない大自然の厳しさやネイティブアメリカンの攻撃など次々遅い来る逆境。
身体は腐り、自由に動かず、それでもフィッツジェラルドを殺す事だけを考え生きながらえるグラスの物凄まじい執念に圧倒されました。


ただねー、もう一度観たいか?と聞かれると・・・んんん・・・。
シンプルな物語、小難しい説教臭さも、理解困難な宗教語りもない。
なんだけど・・・、正直疲れたかな。
3時間近い上映時間、グラスが受ける様々な困難が容赦なく目の前に突き付けられ、しかも画面暗くて青くて寒々しく、潤いなく皆髭もじゃで、半年近く風呂入ってない臭い感じが凄くて気が滅入る事甚だしい。
いや、そういう映画なんですけどね。
そこまでの映画なのに観終わって帰ってきたらそんな特に残ってない……っって言っちゃった!!


あ、でもラストのグラスの表情だけは気になります。
あの眼は何を映しているのかな。
生まれ変わるのか?そのまま朽ちるのか?捉え方は人それぞれだけれど、わたしが感じたのは寂寥感でした。


the revenant
寂しく哀しく感じたよ……顔恐いよ


さてディカプリオ、お父さんにしてはちょい若いなって思ったけど、まあ全編ムサい髭だったのでギリありなのか。
念願の、悲願の、欲しくてしょーがなかった(よね?)アカデミー賞主演男優賞をやっと獲得。
授賞式の変な緊張感ハンパ無かったですねww
ファス含め他のノミニー達は
「万が一オレ取っちゃったらどうしよう・・・」と本気でヒヤヒヤしてたと思うわ~。
見てるこっちも、ヒヤヒヤしたもん。いい加減あげないとちょっとイジメっぽいww
演技上手いと思うし、厳しいハリウッドの世界で10代からずっと第一線で活躍できる実力と華があるのは認めます。

でも今回はなー「演技」としては頑なにファス推しているみーすけです わははは!(美しい外見をしている役者はアカデミー賞から冷遇されやすいって事で、ふふふ。)


the revenant
ここまでやったらオスカーどや?!


というのも、主人公グラスの復讐鬼以外の内面があまり伝わってこなかったんですよ。
ネイティブアメリカンの妻を流血大事件(ネタバレ)で亡くし、息子のみが生きる糧。
そんなグラスの内面はなんつーかテレンス・マリックやテレンス・マリックやテレンス・マリックチックな心象風景で語られ、血の通ったグラスをあまり感じられなかったんです。
だから、演技としてはどっかなーって・・・。


the revenant
心象風景の中に出てくる妻の幻影


演技のピークは息子を殺され、復讐鬼として蘇るところかと。
そこはさすがにディカプ印の演技が光っておりましたが。
ディカプーはベジタリアンなのに生肉食ったり馬の内臓ん中入ったり(まさか本物?)寒くて凍えてた過酷なロケに対してのホントお疲れ様でした、頑張ったねってねぎらいの意味も込めての受賞かなってちょっと意地悪なこと考えたりしてね。


the revenant
出た!!ゲスの極みトムハ


グラスの宿敵、鬼畜のフィッツジェラルドを演じるトム・ハーディ
うひひひ!トムハの鬼畜っぷりが降り切れてていーですねーーwww
鬼畜キャラも極まれりってんですか?
かなり筋金入りのFU●K野郎で、突き抜けるゲス野郎ぶりは清々しくて目に染みるほど・・・なんですが、なんだか憎めないんだなー。
あの子犬のような目が原因だろうか?
フィッツジェラルドの生い立ちが本人の口から語られるんだけれど、似たようなゲスい父親に動物のように扱われて育ち、性格が歪み、しかも頭の皮なんか剥されかけたら、そりゃあんな人間になっちゃうでしょうとちょっと同情しそうにもなる。実はちょっと同情した。
極悪なんですけどね。
血肉を感じるキャラがとてもリアルで良かったー。
英国産はやっぱえーーのーーー。


the revenant
子犬の瞳で悪行やらかしおって!


ドーナル君も出てました。いやこの子化けるね!
いや、『アバウト・タイム』の頃 ”ドーナル君今後ドーナル?” なんていじってましたが、いやぁ、いい役者だ!
役者って化けてナンボですね。ますます期待大。
英国産はやっぱえーーのーーーー。


the revenant
うひょーー、またもやあんた誰?状態だよドーナル!


あの荒涼とした大地、川や雪山の風景はとても美しかった。
絵画を観ているようだった。
直ぐには要らんけど、ちょっと間を置いて再見したら、また違う印象を受けるかもしれないかな。


余談ですが、熊が出たら死んだふりしろっていうのは都市伝説ってのがよーーーーく分かった。
即逃げろ!ダッシュで逃げろ!!キャラとしてのクマちゃんは大好きだけど、本物の熊怖い!!


the revenant
森の中、熊さんに出会ったら、お逃げなさい♪
はーい♪

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

tag : レオナルド・ディカプリオ トム・ハーディ

『スポットライト 』画面地味だけど中身は逸品。

さ~、寝込んでた間に見逃した映画観るぞ!って会社帰りに観に行けるレイトショーどんどん終わっちゃうよ早いよ終わるの。
『レヴェナント』なんて神戸近辺の劇場17時台しかやってねーじゃん、なんだよディカプ人気ねーなー(毒)
でこっち。
『扉をたたく人』の社会派トム・マッカーシー監督がキリスト教会により隠蔽された聖職者による児童虐待事件をボストン・グローブ紙の記者が記事にした実話を映画化。
第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞を受賞した実録ドラマ『スポットライト』です。



『スポットライト 世紀のスクープ』(2015)アメリカ
原題/Spotlight
監督/トム・マッカーシー
出演/マーク・ラファロ  マイケル・キートン  レイチェル・マクアダムス
    リーヴ・シュレイバー  ジョン・スラッテリー  スタンリー・トゥッチ


Spotlight



2002年、ボストン・グローブ紙の新任編集長バロン(リーヴ・シュレイバー)は、これまでうやむやにされてきた神父による児童への性的虐待事件の真相究明を決定。
特集コラム欄 「SPOTLIGHT」を担当するウォルター・”ロビー”ロビンソン(マイケル・キートン)が率いるマイケル(マーク・ラファロ)達チームによる専任調査を開始する。
事件の被害者や弁護士らへの地道な取材を重ねるうち、大勢の神父が同様の罪を犯しているという戦慄の実態が明るみになる。
さらに教会側は事件を認識した上で、隠蔽しているのではという疑惑が浮上するのだった・・・。


Spotlight
「SPOTLIGHT」の5人の記者たち(手前)(左の奥は編集長~)


いやぁ、これ面白かったです。こーゆー映画大好きです。
特集コラム欄「SPOTLIGHT」の5人の担当記者が、長年うやむやにされていた神父による児童への性的虐待事件と、それを組織的に隠蔽していたキリスト教会全体への告発を記事にするまでを描いた作品。
鑑賞しながら、「あ、この雰囲気あれだわあれに似てるわ」って思ったのが、アラン・J・パクラ監督の社会派映画の傑作『大統領の陰謀』。
ウォーターゲート事件を調査するワシントン・ポストの記者を描いたあれと雰囲気似てます。
本年度アカデミー賞脚本賞を受賞したストーリーは記者達が地味に地味に取材を続ける様子を淡々と描きます。
もの凄い大事件とか起こらないし、登場人物達の会話劇がメインでスクープ発表までの事象を追うある種物静かな演出。
しかしながら、絶えずヒリヒリとした緊張感がスクリーンから溢れ、固唾を飲んで経緯と結末を見つめてしまいました。

Spotlight
地道にコツコツ……


神父による児童への性的虐待事件が起こっているのに、それを大きく紙面で取り上げていない事に疑問を感じた新任の編集長がもう一度事件を洗い直そうと決めるところから物語は始まります。


Spotlight
超物静かなリーヴがなかなか良い


たった5人で編成されているコラム欄「スポットライト」の記者たちは地道に足で取材を続けます。
調べれると出るわ出るわ、数多くの件数の被害が明らかになってきます。
貧困や家庭不和で弱い立場にいる児童が多く狙われており、刑事事件になっているにも関わらず示談で済んでいるケースがあまりにも多い。
そこに疑問を感じた記者たちの取材で明らかになるのが教会側と弁護士の組織的な介入の疑惑が・・・。


Spotlight
地道にコツコツ……


実際問題事件を起こした神父が一番悪いのだけれど、それをもみ消し隠蔽工作を続けた教会組織にも大きな問題があります。
しかし敬虔なクリスチャンや関係者たちは教会と争う事を良しとしません。
記者たちは丹念に事件を追い続け、協力する被害者たちに絶対に見捨てない、必ず事実を白日の下に晒すからと協力を求めます。
しかし次々明るみになる事件の根は深く、負の連鎖も感じます。
クリスチャンの方はこの映画をどういう気持ちでご覧になるのか、非常に気になりました。

心理カウンセラー(声:リチャード・ジェンキンスざんす!)が語るセリフが重かった。
「信仰と教会は別。教会は”人が作った”ものだから、間違いを起こす。それらと信仰は分けて考えないといけない。」
事件を鋭く告発しながらも、この映画はそこをちゃんと伝えたいんだなと思いました。
そして何よりも多くの障害に阻まれながらも、事実を報道しようとした記者たちの勇気や努力に感動しました。
ラストの鳴り止まない電話のシーンから、エンドクレジットへの暗転。
カタルシスがハンパなかった。魅せられました。




さてと、いつものミーハーブログに戻ろうww
本作アカデミー賞作品賞ゲットしてますが、非常に画面が地味でーすww


Spotlight
ずーーっとこんな感じ


出てくるのほぼほぼおじさんでみんなブルーのBDシャツにチノパンとか穿いてて、衣裳の煌びやかさもナッシングー。


Spotlight
ええ、もうずーーっとこんな感じ


しかし全く問題ナッシング―!
ぐいぐいと作品に引き込まれるのは、役者達の演技合戦の賜物でしょう。



まず本年度のオスカー主演男優賞にノミネートされた当ブログの「勝手に一人広報室」を開設中 毛だらけセクシー・マーク・ラファロ


Spotlight
ハルク5秒前


やり手記者レゼンデスを演じるラファロ。
今回は前髪パツンだよ。んでも消せないセクシービームね。
事件に関して途中で感情を激するシーン、わたしも一緒になって憤怒してました。
感情爆発系の演技珍しいけど、うん、やはりいーわ。
この人目よね!そして声!声がセクシーなんだわ。
ピシッとしてるよりヨレってしてる方がなんか退廃的魅力っての?
毛だらけだしさ。ふふ。お子ちゃまにはわかるまいこの魅力。


Spotlight
おじさんの色気なめんなよ


今回ラファロも良かったんですが、『バードマン』で注目されたマイケル・キートンがすごっく良かった。本格的に第一線に返り咲いた作品だなという印象。
なんだろか、彼の安定感。
奇をてらった演技をするわけではないのに、鑑賞後キートンさんの演技とセリフが頭の中をリフレイン~。
どーも喋り方が好ましいのかな、もー頭悪いな上手く言えない。
ちょっとマイケル・キートンの過去作観なおしてみようと思いました。今更ながら非常に気になる。


Spotlight
気になるアイツは すっかり上に面長になりました。


毎度味のあるバイプレイヤー、大好きなスタンリー・トゥッチがクセのある弁護士を演じていて、またもやいい味出してました~!
非常に美味しい役どころなのだけれど、それをちゃんと上手く料理できるかは役者の手腕。
トウッチさんが演じるとよりキャラクターに命が吹き込まれるっつーか。要は上手いんですよこの人。
ただの気難し屋でなく、被害者に対する真摯な気持ちや正義感がちょっとしたしぐさや表情に出ていて、あーもー今回もやられちゃったな。
この方出てくるとなんか嬉しくなっちゃうんですよね。善人から悪人、コメディからシリアスまで守備範囲膨大なトゥッチさん♪
お気に入りの役は『プラダを着た悪魔』のスタイリスト、ナイジェル。
気持ち悪くて大嫌いなキャラだけど、名演だった『ラブリー・ボーン』。
あれ出たあとさー、もう普通の役できなくなるかもって人知れず心配してたんだよー。けど、全く問題なしで良かった安心した。
ズラ着用するだけで誰だか分からなくなる凄さもあり、超カメレオンだよね、この人も・・・。


Spotlight
今回はズラバージョンな!


おっさん揃い踏みの布陣の中、紅一点のレイチェル・マクアダムス。
派手さの無いマリア・ベッロとかがやりそうな役なんだけど、マクアダムスの親しみやすいキャラクター、非常に爽やかだった。
この人絶世の美女とかでなく、どっちかって言うと親しみやすい(体系とか)癒し系女優じゃないですか。
出演作を可愛いキャラから演技派俳優へシフトチェンジしているんでしょうか。ホフさんの遺作『知り過ぎた男』とかね。
『アバウト・タイム』可愛かったけどね♪


Spotlight
今後の方向性を模索中でない?



そして、もう一人、「勝手に一人広報室」解説中。
最近俄かに(みーすけ近辺限定で)ブームになっているこの人。
クラちゃんことビリー・クラダップ出てますです!
人当たりが良く当たり障りのないwwハンサムさん。
しかしちょっと裏を感じるグレーなホワイトカラー弁護士をまたもやカメレオンな感じで演じてます。好きだ。
善では無く、かといって悪とも言えない、微妙な立場。
マイケル・キートンらに詰問された時にポロっともらした事実におおお!ってなるんですけどね、そん時の本当は誠実な部分がちゃんとあるんだよってな瞳の色よ・・・。
ん~~~。注目して観てください。癖になるからこの人。
『スリーパーズ』で「あっ」と思ったって以前言いましたが、なんと映画デビュー作だったという。みーすけ青田買いだったww


Spotlight
はい、ご一緒に!
知名度上がれ!人気出ろーーー!!!



編集長のリーヴ・シュレイバーの静かな演技がとても良かったし、トニー・スタークのパパ、ジョン・スラッテリーもいい仕事してたし、演技の上手い役者がしっかりと演じていて非常に見応えがありました。
良い映画です。観てほしい。
華は皆無けどねWWW


あんま画像が地味でもアレなので、広報室から素敵ショットを落として今回はお別れしましょう。
では、さいならさいならさいなら・・・・


Spotlight
アンニュイに佇んでるセクシーラファロ❤


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カジュアルも美味しいクラちゃん❤

広報活動は続く……。

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ジャンル : 映画

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