『ビッグアイズ』  本当にあったイタい話

『ビッグアイズ』  (2014) アメリカ
原題/Big Eyes
監督/ティム・バートン
出演/エイミー・アダムス  クリストフ・ヴァルツ  ダニー・ヒューストン  テレンス・スタンプ


big eyes


50~60年代のアメリカ ポップ・アート界で、大きな瞳の子供たちを描いて人々を魅了していたウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)
彼のアートはその特徴的な作風で一躍有名になり、作品はセレブ達に高額で飛ぶように売れ富と名声を手にしていた。
しかし作品の実の作者はウォルターの妻マーガレット(エイミー・アダムス)だったのだ。
娘や世間を欺いているためひっそりアトリエに籠り 一日16時間『ビッグアイズ』を描き続けるマーガレット。
一方名声を満喫し、セレブ生活を謳歌するウォルター。
夫への不満や自分や周囲に嘘をつく事に徐々に疲弊するマーガレット。
とうとう彼女の心の均衡が崩れだしてしまうのだった・・・。


big eyes
キーンの代表的作品 『Big Eyes』シリーズ  どこかで1度は見た事ありますよね


ファンタジー色濃い作品の多いティム・バートン監督が、実在するアーティスト マーガレット・キーンの数奇な半生を描いた本作。
60年代ポップアート界で大人気だった『キーン』名義の絵画にまつわるゴーストペインター事件。
最初はちょっとした勘違いから始まった作者名義虚偽を訂正できず、運命を翻弄されていくある夫婦の嘘のような本当の話しです。
この時代のアメリカン・カルチャー大好きなんで、『ビッグアイズ シリーズ』作品も見たことあるんですが、作者をめぐりこんな出来事があったなんて全く知りませんでした。
現代と違い、女性というだけで発言や仕事などがまだまだ制約を受けていた時代だからこそ 起こった出来事だと言えるのではないかな。


big eyes
結婚しよー結婚しよー結婚しよー! ウォルターの調子の良さに結婚まであっちゅーま!


離婚して娘を抱えたマーガレットが、マルシェで似顔絵を描いていて偶然出会ったウォルター。
同じ画家どうしと言う事で惹かれあい、二人はあっという間に結婚する事になります。
バツイチ子持ちという負い目がマーガレットの審美眼を曇らせたのかもしれないけれど、ウォルターの人を引き付ける人間的な魅力は天性のもの。
彼のプレゼン力が後々役立つ事にはなるのだけれど・・・


big eyes
男が描いたってことにしたほうが売れるんだよ! 最初のきっかけは軽くて・・・


不動産業で成功しているにもかかわらず、画家として成功する事に並々ならぬ欲望をもつウォルター。
ジャズクラブに二人の作品を展示するものの、注目が集まるのは独創的なマーガレットの『ビッグアイズ』ばかり。
ちょっとした出来心でマーガレットの作品は自分が作者だと嘘をつくウォルター。
そう、最初はほんの小さなきっかけ。
時代的にまだまだ女性名義だと作品が軽く見られる事も考慮して、戸惑いながらもそれを受け入れるマーガレット。
彼女の心の弱さ、立場の弱さが悲しいな。
繊細なマーガレットの心を丁寧に演じて エイミー・アダムスはG・Gのコメディ・ミュージカル部門での主演女優賞を獲得しています。


big eyes
名義変更はトップシークレット  こっそり隠れて制作中


想像以上の人気で作品が高額で取引され、益々事実を公言出来なくなるマーガレット。
最初の嘘はどんどんしがらみを纏い大きくなるんだよなー、嘘は怖い!
世間はもちろんの事、愛娘にまで嘘をつき部屋に籠り制作活動をするマーガレットは良心の呵責と、作者を偽ることにあまりにも平気な夫ウォルターへの不信感に悩みだします。
そりゃそーだわなー。
わたしだってこんなおバカなブログだけれど、赤の他人が
「わたしが ”みーすけ”です」って公言されたら
「いやいやいやいや!ちょっと!ちげーよ!」 って思うもん。
自分の心の中をさらけ出すアート作品を、別人名義で発表する事に耐えられなくなる気持ちは痛いほど分かるよー。


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いろんなフラストレーションで 世間の人々が 『ビッグアイズ』 に見えちゃうマーガレット



とうとう自分の顔まで 『ビッグアイズ』  病んマーガレットの図


てゆーか 目 でか!! 
気味悪いんだけど、ちょっと美人メイク系じゃね? とか思ったりなんかしちゃったりして・・・。
デカ目コンタクト使ったらこんなんなるかもってちょっと思った。 
あ~、でも みーすけ目が丸いんだよなぁ。
夜中、洗面所の蛍光灯の下で鏡に映ったポカっとした表情のない自分の目を見て怖かった経験あり。
ほどほどの目の大きさでいいっす・・・って負け惜しみぢゃないからね!ぷん!


今回ティム・バートン作品ながら、いつものこれぞティム・バートン!という演出方法ではない語り口。
バートンカラー押さえ目だったな。
わりとふつーなんだな。
でも、画面のポップさは描かれる時代が時代なだけに『シザー・ハンズ』みたいに可愛い色で溢れ、観ているだけで目に美味しい。
なんせ個人的に50~60年代のファッションやアートや音楽大好きっ子なんでね。
ペパーミント・グリーンの車、サブリナパンツ、明るい色のワンピースやジャズクラブで流れる音楽とか、もーたまんねーー!ですわ。
カリフォルニアの空が青いぜ イェーーイ!



真っ赤なAラインのワンピースが可愛い! 腰の下は意外とドスコイ


バートン監督は、演出に自分のカラーを大きく出すより、事実を語ることに重きを置いたのかな。
いつものファンタジーたっぷりな世界を求めるとちょっと肩透かし食らうかも。
でも彼独特のアクの強さが弱いので、一般受けしやすいっちゃーしやすいのかな?
みーすけはちょと消化不良。

途中までね・・・


そう!物語の中で一人我が道を行く男ありき。
しゃくれクリストフ・ヴァルツだ!
最後の裁判シーンでいきなり違う映画か?と思うほど雰囲気がガラリと変わってヴァルツの独壇場だけど、急にコメディになったなぁ・・・。
あれ?これ『イングロリアス・バスターズ』だっけ?なヴァルツを観れるのでお楽しみに。



どーもどーも! 演技は濃いけど素顔は腰の低いヴァルツさん


自分の気持ちを代弁するアートを自分の物として発表出来ない事へのやるせなさは、夫婦の亀裂の大きな原因に。
でもこの時代に、ウォルターのプレゼン能力無しで果たしてマーガレットのアートが売れたかどうか?
ポップアートのポスターを売る戦略など、なかなかの商売人なウォルターの手腕が優れていたことは間違いないしなぁなんて思いました。
アートって売り方次第なのか?とかね。
ウォーホールのスープ缶のリトグラフ大好きだけど、ただのスープ缶だしなぁ。
でもポップで大好きなんだよね。
アートはそれを受け止める人の感性次第なんですよね、きっと。




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エイミー・アダムスと実際のマーガレット・キーンさん


マーガレットご本人のインタビューで、「エイミーが若いころの私にそっくりで・・・」っておっしゃってまして。
・・・それ、美人度盛りすぎやろ! って突っ込んだけど、若い時のマーガレットの画像見たらとてもチャーミングで
「あ、たいして盛ってなかったっすね、さーせん!」でした。


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実際のマーガレットと2000年に無一文でお亡くなりぃ、のウォルター 


作品としてはティム・バートン印が薄いけど、物語が面白いし、バスターズばりのヴァルツの裁判シーンの演技が笑えるのでOKでしょう。

個人的にはこの時代独特のカルチャーが最高に素敵で、それを満喫できたので大満足。
特にジャズクラブで流れたのが、あのラテン・ジャズの祖とも言えるカル・ジェイダーだよ!!大好き!好き好き!
彼の代表作『Soul sauce』貼っときます。
絶対聞いたことあるはず!
え?知らない? お、おかしいな・・・





あとさー、大好きなテレンス・スタンプがアート評論家の重鎮の役で出ていて、一人こっそり喜びを噛みしめたのでした。



刺せるもんならやってみそ!
ここだけやたらホラー色濃いな

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