『セブン』 グロで狂気 でも安定のA級

『セブン』 (1995)アメリカ
原題/Se7en
監督/デイヴィッド・フィンチャー
出演/ブラッド・ピット モーガン・フリーマン ケヴィン・スペイシー 他


あー6月半分過ぎたっす。
今年半分が終わるカウントダウンだよー 早ぇーなー やんなっちゃうなー。
どたばたしたりで、なかなかブログ更新できないんですよねー。
思い出したようにアップしてるので見捨てないで遊びにきてくださいね。
さて、最近劇場で新作をあまり観れていないんですが、CATVで日々垂れ流される作品はチェックするみーすけ。
今回 垂れ流すどころかがっつり食いついて再見した 『セブン』です。


Seven



アメリカ、雨の降り続くとある大都会。 
退職まで1週間と迫った刑事サマセット(モーガン・フリーマン)は新人刑事ミルズ(ブラッド・ピット)と組まされ、ある死体発見現場に急行する。
信じられないほど太った被害者男性はスパゲティの皿に顔を埋めて死んでいた。
司法解剖により死因は食物の大量摂取によるショックと腹部を殴打されたことによる内臓破裂と判明。
被害者は手足を拘束され、銃で脅されながら食事を強要されていたのだ。
犯行現場のキッチンで冷蔵庫の裏に犯人が脂で書いたと思われる「GLUTTONY(暴食)」の文字と、この殺人を手始めと示唆するメモを発見するサマセット。
時を置かず強欲と評判の敏腕弁護士が高級オフィスビルで血まみれになって発見される。
現場では被害者自らが腹部の贅肉をちょうど1ポンド分切り落とし、秤に載せているのが見つかる。
そして床には被害者の血で綴られた「GREED(強欲)」の文字が。
犯人がカトリック教の「七つの大罪」をモチーフにして殺人を続けていると気づいたサマセットは、引退する自分には扱えないと事件から降りようと考える。
しかし血気盛んな新人ミルズのサポートを上司に請われ 引退までの7日間 事件解決のサポートをする事になるのだったが・・・。


劇場鑑賞作品がSFやファンタジー続いて、お腹いっぱいだなって思ってるところにタイミング良くかかったこれ。
本来 こーゆードロドロでゲロゲロな人間の恐ろしさ、汚さ、エグエグ炸裂映画が好きなんだ ふふ・・・。
もうわたくし如きがあれこれ言うのもおこがましいですが、デイヴィッド・フィンチャー監督の出世作にしてサイコサスペンスの傑作。
1~2年ぶりに観たのだけれど、ホントに毎回観る度に新たな発見とか感想が溢れて、やっぱ好きな作品なんだなー。

あ、今回王道に有名な作品なので かなりネタバレです!
未見の方は気を付けてください!!



Seven
見よ! インパクト大のオープニング・クレジット!!

始まった途端のこの画像!
銀残しという現像方法でちらちらと鈍色に光る錆っぽいシルバーの画像と不況和音な音楽。
カイル・クーパーが担当したこのオープニング・クレジット、いやぁこれ流行ったねー。
本作公開後も似たような亜流(もしくはクーパー本人による)クレジットをサイコ系スリラー映画なんかでよく観た。
てか、未だに同じテイスト観るよね。
それだけ印象深いってことです。 
このクレジットだけで一気に映画の世界に引き込まれてしまうから。


Seven
「殺人事件 燃えるっすね!」  「うるさい」

引退間近のベテラン刑事とやる気満々のはねっ返りな新人。 最初に反発しあうのはもうデフォルトでしょ。
転任すぐに殺人事件を担当する事になったミルズは傍から見ても少々浮かれ気味。
そんなミルズを苦々しく眺めながらいいから黙って俺のやることを見ていろと、突き放すサマセット。
お約束なのだけれど二人のキャラクターや立ち位置がスルリと理解できる演出が上手いねーフィンチャー。


Seven
「紳士淑女の皆さん 殺人事件です」  (ふざけんな 怒)


まず本作の大成功の要因その一は主演二人の起用でしょう。
当時人気、実力ともメキメキとその頭角を確実なものにしていた(あ、今も。じゅりさんゴメンw)ブラッド・ピット。
実は本作のブラピの演技、彼のキャリアの中でも一二を争うほど好きなんですよ。
「ブラピの呪い」とみーすけが勝手に呼んでいる現象がありまして。
ブラピブランドのネームバリューが大きすぎて 主演になるとどうしても彼ばかりがフューチャーされてしまう。当然こちらももっともっととハードル上げて過度の期待をしてしまう。
彼の作品でわたしが「プラピいいなー」って思う作品って肩の力抜けたいわゆるアンサンブル映画が多いんですよねー。
でも本作でのピットさん(誰だよw)若くて向こう見ずながら脆い弱さのあるミルズに「なっている」。
演技力も魅力も発揮しつつのー、良い感じの抜け感。もちろん監督の演出ありきでしょうが、いやぁブラピの演技いいっすねーホント。


Seven
いーわーミルズ。  頑張れ「セルピコ」


で、ベテラン刑事に『許されざる者』でオスカー獲得、『ショーシャンクの空に』等に出て円熟の演技の頂点駆け上り中のモーガン・フリーマン。
あーもーやっぱ上手い。 
それしか言えん。
彼が映ってるだけで画面に魔法が溢れ、グイグイと映画に引きこまれる。
最近の「右も左もモーガン出とる」状態のふんわりやっつけ仕事なんかでなく本気度溢れる納得の演技。
ねえねえ、最近の垂れ流しはいかがなもんかモーガンさん?

Seven
うっしっし!  儲けてまっせ! 


これって、サイコサスペンスだけど、若い刑事がベテランに教育されながら成長する裏バディムービーでもあるんだよねー実は。

Seven
猟奇殺人裏バディ映画だとよ   へぇ・・・



それから本作何が 「うふふ」 かと言うと(個人的にですけどー)とにかく事件の被害者の猟奇的な殺され方。
初っ端から出てくる超肥満男性の机上死(?)ね。
人間て食い過ぎが原因でショックで死ぬんだ・・・と。
明りのない薄暗いリビング。サマセットたちのフラッシュライトに照らされ浮かび上がるおどろおどろしいキッチン。
床やテーブルの上をG●●●(個人的自主規制)がかさかさと動き回り ああ、もうわたしこれだけで全身鳥肌です!!
見えそうでよく見えない画面展開がこちらの恐怖心と不思議な興味を掻き立てるんですよ。
超ミニよりも深いスリットのロングスカートって事か?!(よく分かんない例え?)
なんせこの最初の殺人「GLUTTONY(暴食)」場面、堪んねーっす。


Seven
第二の殺人  床に書かれた「GREED(強欲)」

本作が煽るだけのB級サイコホラーと一線を画しているのは(出演者が一流なのはちょと置いといて)、意外とグロテスクな殺人現場ってバッツリ映ってないんですよねー。
あ、凄いのもありますけどね。
でもそのものずばりの死体って このオデブさんと、死体ではないけれど途中に出てくる「SLOTH(怠惰)」の餌食の被害者。
それから「PRIDE(高慢)」だけれど、これなんかちょとアートぽくてスタイリッシュにさえ感じてしまう(鬼畜?すません)

Seven
「SLOTH(怠惰)」 ごろごろ寝るの大好きだけど これはヤだ

Seven
ちょっとしたアートのような「PRIDE(高慢)」の殺人現場  犯人の偏執ぶりがパない


アートと申しましたが、なんだかスタイリッシュに見える要因は画面の色使いに特徴があるからではないでしょうか。
フィンチャー監督がこだわったシルバーな画面に注し色の如く印象的な「緑」が使われている点。
映画の冒頭で寝起きのミルズが飲むコーヒーのマグカップがファイアーキング社のグリーン。
現場で刑事たちが嵌めているラバーグラブ。
サマセットが訪れる図書館の読書灯。
街頭配布のチラシ、フラッシュライト などなど・・・
本作の特徴とも言える雨の多い薄暗い街並みのシーンに、ふんわりと光陵を落とされたやわらかいグリーンが映えて独特の雰囲気を生み出しています。
読書灯は初見に印象的だなぁと感じたのだけど、他は何回か再見して気付いていった事。
こーゆー発見があるから 同じ映画を何度も観るのって止めらんないんだわーー。

Seven
ファイアーキングのマグって高いんだぞー  この色いいねー


さて・・・、今回再見して特に気になったのが一連の殺人事件の犯人ジョン・ドゥ。 
ケヴィン・スペイシー演じるところの謎の男ジョン・ドゥ。
実は初見時にこのジョン・ドゥの描き方に多少「ん?」って思ったんですよ。
自らの指紋を削り、一切の身元に繋がる情報を隠蔽し、仕事もなく、しかし資産がある謎の男。
本作はこのジョン・ドゥが「なぜ」犯罪を犯したか、「どうして」こんな人間になったかとか、犯人のバックボーンに一切触れない。
当時のわたしはそこがもっと知りたいのになぁと 観終わったあとに少し残念に思った。
で、月日は流れ・・・ つーてもたぶん1~2年後。
ソフト化したので再見したんです。
そうすっとねー、初見時に「もっとそこを知りたいのにな」と思ったジョン・ドゥの人となり。
謎であればあるほど映画をよりディープに闇に病みに導いてるのが分かって あーわたし浅かったー!と。


Seven
はい捕まえてちょーだい! と自首するジョン・ドゥの意図は??


1995年制作だから20年前の作品。
少なくともその頃のわたしの中では、「病んでるから」という理由でああいう犯罪を犯す人物像に頭の回路がついていけなかったんだなーたぶん。
あれから何度も観てるけど、その度にジョン・ドゥという男の狂気と病みと闇が「そーゆーのあるかも」と受け止められてしまってる自分がいるんですよ。
だって20年後の今、映画の中のような犯罪が日本のあちこちでしょっちゅう起こってるんですよ。
生きていたくなくて死刑になりたいから人を殺した。 一度人を殺してみたかった。
理解できない動機。 
こちらは何もしてないのに、たまたまチョイスされてしまい被害者になってしまう。
そういう事件ががあの頃より明らかに「理解」できる自分がいる。
20年前イマイチぴんとこなかったジョン・ドゥの闇が「ありだな」と思えてしまう自分ってなーと暗澹たる思いです。


Seven
気持ち悪  スペイシーさんはこの年『ユージュアル・サスペクツ』でオスカーゲットと当たり年でした


Seven
ねーねー、すげー普通な役って珍しくね?


そうそう、ガニーことR・リー・アーメイがサマセットたちの上司という普通の役(!)で出演してるんだけどね。
撮影前のオーディションでアーメイさんががジョン・ドゥを演じたのを監督やブラピ、モーガンさんが見て
「なんというか、容赦が無さ過ぎる」という理由でボツ!
結局ケヴィン・スペイシーで決まったという経緯があったそーな。
なんか、うん、ちょっとその容赦が無いってのに笑えるけど納得できたりして・・・。


Seven
やかましいぞこのおフェラ豚め!!!  しょええ~すません!!

あ、余談ですが、Twitterに「ハートマン軍曹bot」ってあって軍曹のセリフが定期的に落ちてくるようですなんだそりゃ(笑)
興味のある方はどぞ。

閑話休題。
まあしかし、この映画やはりラストのブラッド・ピットの顔芸、もとい 表情演技の素晴らしさ無くして語れないのでは?
ミルズの心の中の葛藤を非常に的確に繊細に演じるブラッド・ピット。
何かを悟ったように無表情になり「ある行動」を取るラスト。
この一連の流れが素晴らしい。
毎回このブラピの演技に「あ、ヤラれた」と、鳥肌立つんだよな。









ふえぇぇー
実は昔はこのシーン、痺れはしたものの
この後のサマセットのヘミングウェイの引用の方にうわっ!ってなってたのよ。


ところが今回ブラピの演技で泣いてしまった。
何度めの鑑賞やねん!とセルフ突っ込みしながーらーのー涙ポロリん。
いつもより深く響くサマセットのモノローグ。


ヘミングウェイが書いている。

「この世は素晴らしい 戦う価値がある」

後半部分は賛成だ。


うおおおおお!せ、切なス・・・💧
やっぱ名作ですこれ。
演出、脚本、演技、カメラワーク、そして音楽(ボウイさんです♪)
フィンチャー監督独特の毒が炸裂しながらも下品なB級映画にならない絶妙な塩梅。すばらしーー。
おお!、と思った同士の方。
再見してくださいよ是非とも!!

あーしかし切ない。
じゅりさんところで昨年見せてもらった
YouTubeの
「ミルズはご飯を食べたいようです」
を見てホッとしたいなぁ~。
じゅりさんお願いリンク送ってーー!(笑)


※※※
じゅりさんのご厚意で上記の素敵なYouTubeの記事トラバ送っていただきました!
是非ともご覧下さい。
ミルズの悲しみを別の視点から捉えた『字幕の傑作』です(笑)







ところで・・・驚いたことに競演のグィネスの画像や詳細が一切無いのに今気が付いたぞ!
すません わたし彼女苦手なので今回特筆は無し。
潔し! てへ♪


無視なの?   ええ無視です

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天邪鬼なので映画の好みも多少偏りありです
毒も吐き、妄想も垂れ流しますが笑って許してくださいませ
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