『スティーブ・ジョブズ』 天使の役者ファスベンダー

『スティーブ・ジョブズ』(2015)アメリカ
原題/Steve Jobs
監督/ダニー・ボイル
出演/マイケル・ファスベンダー ケイト・ウィンスレ ット ジェフ・ダニエルズ セス・ローゲン他


Steve Jobs



1984年、アップル社の社運をかけた「Macintosh」発表会の40分前。
準備を進めるスティーブ・ジョブズ(マイケル・ファスベンダー)のもとにスタッフから緊急の連絡が入る。
システムの不具合でプレゼン中コンピューターに「Hello」と喋らせる事ができなくなったというのだ。
激怒したジョブズはエンジニアを怒鳴りつけ、罵り、絶対に間に合わせろと怒声をあげるのだった。


Steve Jobs
ジョブズの複雑な内面を演じるのはマイケル・ファスベンダー(別名 天使)


Steve Jobs
プレゼン前の40分を切り取った不思議な3部構成


以下、今回のみーすけ心のテーマ

・冷静に平常心で映画を語る その1)イントロダクション


Steve Jobs


2011年に56歳の若さでこの世を去ったアップルの共同創業者スティーブ・ジョブズ。
卓越したビジネスセンスと先を見極める判断力。しかしながらワンマンで傲慢で人間的には欠点だらけだった性格。
天才、カリスマ、暴君、変人。死後もその圧倒的存在感で熱く語られるジョブズ。
本作はそんな彼の功績を描いた伝記映画……ではありません。
まるで三幕構成の舞台を観ているよう。
1984年の「Macintosh」、88年の「NeXT Cube」、98年の「iMac」と、ジョブズのキャリア上大きな転機となった3つのプレゼンに焦点を当て、その開始前40分に起こった出来事を緊迫した会話劇として切り取った演出は非常にユニーク。


Steve Jobs


・冷静に平常心で映画を語る その2)監督 ダニー・ボイル


Steve Jobs
ダニー・ボイル監督と脚本のアーロン・ソーキンとファスベンダー


メガホンを取るのは独特のスピード感と緊張感溢れる演出が魅力のオスカー監督、ダニー・ボイル。
彼の映画はとにかく映像の疾走感が大きな魅力。
今回は彼独特の演出は少し薄い印象でした。
しかしながら、プレゼンの始まる直前に舞台裏で起こっているジョブズと彼を取り巻く人物のピリピリしたやり取りはさすがキレッキレな演出。
各時代ごとにわざわざカメラを変えて撮影するという凝った撮影。
最初のパートは16ミリ、次が35ミリ。この違いは分かりました。
最後のパートは最先端デジタルカメラらしいんですが、機種までは素人にゃわかりませんけど……ww
音楽の使い方も、いつものダニー・ボイルに比べると若干控えめだったかな?
でもやはり、ジョブズが心酔していたというボブ・ディランや娘のリサとの会話に出るジョニ・ミッチェル。セリフでなく、挿入曲で人物の心象を伝える演出、選曲の妙はさすがダニー・ボイルです。


Steve Jobs
ざっくりしたジョブズの背景を頭に入れておくとより映画に入り込めます。


・冷静に平常心で映画を語る その3) 脚本家アーロン・ソーキン


Steve Jobs
娘を娘として受け入れようとしないジョブズだが……


素晴らしい演出のために用意された素晴らしい脚本は、こちらも「ソーシャル・ネットワーク」でオスカーを受賞したアーロン・ソーキン。
ウォルター・アイザックソンによるベストセラー伝記をただジョブズの半生を描くという単純な物語にしなかった劇作家出身のソーキン。
息詰まるような会話、会話、会話の応酬。
ちょっとでも気を抜くと大切なセリフを見落し、聞き逃すのではとスクリーンにクギ付け。
ユニークなアプローチでジョブズと彼を取り巻く周囲の人々の愛憎、確執を鮮やかに表現した脚本はGG賞で脚本賞を受賞しています。
余分な説明をギリギリまで排除し、濃密で切れ味の鋭い会話の数々。
ジョブズの功績や、革新的だったコンピューターの話には触れません。
原作の伝記ではほとんど語られることのなかった、娘リサとの確執を物語の核に、ジョブズという人間がいかに気難しく、独占的で、欠点だらけの男であったかという事がオブラートに包まれる事なく語られます。
しかしそんな欠点だらけな人間であるにも関わらず、多くの人を魅了したカリスマ性、「芸術家」としての彼の溢れる魅力も同時に描かれているのです。
アーロン・ソーキンの紡ぐ膨大なセリフは、ジョブズを訪れた元同僚、娘、友人、知人との会話劇の体を取りながらも、鮮やかにジョブズの内面を観客に伝えていました。素晴らしい。


Steve Jobs


・冷静に平常心で映画を語る その4) 役者たち


Steve Jobs
3つの時代のジョブズを演じるファスベンダー


ひりひりするような長セリフの応酬。舞台劇のような脚本、演出にはそれをしっかりとこなせる確かな演技力を持つ役者が必須。
ジョブズを演じるのはマイケル・ファスベンダー
昨今ブームの実在人物の映画化は、いかにその人の外見を再現し、実物そっくりに似せるかが評価の大きな要因の一つになっています。
しかし本作のファスベンダーは外見を造り込むというアプローチをしていません。
時代ごとに年齢を重ねる変化はあるものの、後年薄くなってしまったジョブズの頭髪は無視しているし、付け鼻等で骨格や人相を変えたり、体重の増減で見た目を変えることもしていません。
当初はクリスチャン・ベールやレオナルド・ディカプリオにオファーがあった役。2013年には既にアシュトン・カッチャーがジョブズを演じてこれがけっこう似ていました。
誰もが知る世界的アイコンの再映画化。
リスクばかりが懸念されるこの役をファスベンダーが如何に演じるかは撮影当時から話題になっていました。
映画が始まり、スクリーンに・・・・・



ううう・・・



・・・ねー、ねー、ねーー。

もーいーでしょーか?
冷静に平常心で、かなりちゃんと映画レビューしたからぁ、もーいーでしょうーーか??!
ファスの演技に関して、ぶっちゃけて語っていーーでしょーーーーか???!!!
もーー無理!普通な文章でファスを語るのもーーーーむりぃぃぃぃぃ!!!



転!


・みーすけ 通常営業でファスを語る


映画が始まり、スクリーンにファスが映った瞬間・・・。
ん?電気?何かのドラッグ?これ4DXじゃないよな?スクリーンから何か出てる。溢れてる。これっていわゆる一つのオーラ的なにかじゃね?
ふえぇぇ、外見ファスなのに、あ、あ、あ、ファスが、ファスがジョブズぅぅぅぅぅぅぅ・・・
天性の役者に外見のメタモルフォーゼは必要なかった。
見た目が似てるとかファスには関係ないんだよ。外見的アプローチをせずとも、一たび演技に入ったファスはジョブズ以外の何ものでもなかった。
まーなー、ちょっと考えりゃー分かるこってす。
今までファスの演技が残念だった映画ってありました?
答えはNOだよ!!
外見が超そっくりだとして、ではそれが激しくこちらに響く演技と関係あるか?
答えはNOだよ!!
確かに似ていたアシュトン・カッチャーの『Jobs』の演技、どーでした?

・・・・っふ。
・・・外見を似せるモノマネと演技力の間には何の関係nK%.....以下自粛


Steve Jobs
あうあうあうあうあうファスーーー!!❤


台本を読んで読んでまたまた読んで、役とセリフを自らの血肉として叩き込み、それでもまたさらに台本を読み込み、よりキャラクターをしっかりと自分の中に確立させるファスの役へのアプローチ方法。
今回も外見の造りがそれほど似ていないのに、ふと考え事をする時に顎に手を持っていくジョブズのポーズを取るファスはどこから見てもジョブズです。
学生時代に付き合っていた恋人が生んだ娘、リサを頑なに自分の子供だと認めようとしない鬼畜なジョブズ。
幼い子供に暴言まで吐きます。なのに彼の瞳の中にはリサに対する確かな愛情が見えるんです。


Steve Jobs
拒絶から始まった父と娘のギクシャクとした関係


そんな複雑で謎で面倒なジョブズを繊細に見事に演じ切ったファスの演技は数々の映画賞でノミネートと受賞を繰り返しています。
このままオスカーまで一直線かと思ってたら、年明けまさかのディカプーの快進撃。
ファスの演技、もの凄まじいんだけどな。
まあ賞は時の運です。
本作での彼の演技には魅了されること間違いなしよー!!


Steve Jobs
えへへ、ちよーだい♪ なんでもあげるよーーー❤❤


さて、そんなファスを支える共演者の演技も素晴らしかったですねー。
すっかりドスコイと威厳の出たケイト・ウィンスレット。
長年ジョブズの広報として彼を支えたジョアンナ・ホフマンを演じたケイト。
ジョブズに心酔しながらもまるで母のように、姉のように厳しい意見を吐きます。
ケイトのドスコイ演技はファスと同じく高く評価されて、今年のオスカーは間違い無いかも。
ディカプーとの『タイタニック』コンビで授賞かなー。
ディカプーの演技まだ観てないから判断不可だけどさー。


Steve Jobs
貫禄出ましたなー


ジョブズと共にアップルを立ち上げた盟友ウォズニアックを演じたセス・ローゲンも良かった。上手いなー。
最後のプレゼン前に人目もはばからずジョブズと怒鳴り合うウォズニアックの心情を考えるとなー。
共にガレージから始めた小さな会社で本当の意味で製品を作っていたのはウォズニアックなんだよな。
彼の背景はフワッと頭に入れて観たほうがいいです。


Steve Jobs
俺はジョン・レノンだ!リンゴ・スターじゃない!!
って、リンゴに失礼よなーww


そして、同じくジョブズに誘われアップルに参入したジョン・スカリーを演じるジェフ・ダニエルズ。
ファスとダニエルズの演技合戦凄かったーー。個人的に一番の見処だった。


Steve Jobs
すれ違ってしまったスカリーとジョブズの邂逅が胸アツ


同僚、元同僚、友人、知人。
散りばめられるエピソードの中で、やっぱりオーラスの娘リサとの会話で涙腺を刺激されてたまらなかった。
人間ジョブズの不思議な矛盾の理由がボンヤリと語られるエンディングのシークエンスの入れ方も秀逸。
キラキラとした瞳で熱く未来を語るジョブズの魅力は、やっぱりファスだからこそ表現出来たものに違いないな!と激しく納得間違いなし。
嗚呼ファスってば、また新たなステップを登って、いったいこの天性の天使な役者はどこまで高みに向かうのかしら……付いていくわよ!!
勝手に!!


Steve Jobs
Come on baby っしゃーーー!

あ、さてと、外見アプローチはしてないけど、トレードマークである黒のタートルネックとリーバイス501はちゃんと着てたファスジョブズ。
このジーンズのサイズが32インチであることが発覚。
はあぁぁぁ!!どんだけ細腰小尻なの!!!


Steve Jobs

も!やっぱメロメロっす。
今回かなり頑張ってマジメにレビューした努力は認めてください皆様。
さて、本日あと30分でお代わりジョブズでーーす。
私生活ではバッキバキに割れたiPhone使ってるファスの演技に再び酔いしれてきまーーーっっす!!

さらば!!

あ、おまけで↓スタッフ、キャストの特別映像をどぞ。
みんな観ろよーー!


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