『ルーム』 希望があって天使も出るよ

『ルーム』(2015)カナダ=アイルランド
原題/Room
監督/レニー・エイブラハムソン
出演/ブリー・ラーソン  ジェイコブ・トレンブレイ  ジョアン・アレン  他


Room



ママと二人「部屋」で暮らすジャック。
「部屋」の上に一つだけついている天窓から光が入ります。
朝目覚めたら、「おはよう」の挨拶。
「おはよう電気スタンド」、「おはよう洗面台」、トイレ、机、ベッドの下の卵で作った長いヘビ。
みんなに挨拶したその朝、ジャックは言います。
「僕、5歳になったんだよ」。


Room
ジャックはその日5歳になりました。


小さなこの空間がママとジャックの全て。
ジャックは「部屋」の外に出たことがありません。
外には空っぽの宇宙があるだけで、出ると死んでしまうとママに教わりました。


Room


でも5歳の誕生日のあと、ママはジャックに言います。
「ママの本当の名前はジョイ。」
「この「部屋」の外に「ホンモノの広い世界」があるの。」
「ここから出るのよ!ママを助けて!」と・・・。


Room
心が壊れる前に……


エマ・ドナヒューの小説「部屋」を、『FRANK-フランク』(因みに主演役者は天使)のレニー・エイブラハムソン監督が映画化。
昨年のサンダンス映画祭で上映されるや絶賛の嵐。
主演のブリー・ラーソンは早くから賞取りレースのトップを走っていましたが、今年のアカデミー賞の主演女優賞始め、数々の賞を受賞しました。


若い女性が誘拐され、7年も監禁され、犯人との間に出来た息子と二人「部屋」で生活するという事前情報に、「重量級に重い内容じゃん・・・」と及び腰になり鑑賞がすっかり遅くなってしまった。
くっそ!さっさと観りゃ良かったぜ!
本年度上半期の1位・・・、あ、ファスジョブズやファスベスがあるから暫定2位?3位?
とにかく!いい映画でした!


Room
天窓の外には何があるの?


5歳の少年ジャックが誕生日をむかえた朝から始まる物語。
ジャックは日々「部屋」の中でママと二人で過ごしています。
「部屋」は狭く、ベッドとテーブル、小さなテレビと狭い台所、シンクとバスタブがあるだけ。
そこでジャックとママは起きて、食事をして、歯を磨き、ストレッチや運動をし、風呂に入り、洗濯をして、眠りにつきます。


Room


二人が監禁状態にあるのは映画が始まってすぐにこちらには分かるのですが、かなりそれが衝撃。
夜になりママの時計のアラームが鳴るとジャックは狭いクローゼットの中のベッドで眠りにつきます。
そのうち「部屋」のセキュリティボタンのキー音がして、重く大きな扉が開く音が聞こえ、「部屋」に男、オールド・ニックが入ってきます。
うとうとするジャックにママとオールド・ニックの会話がぼんやりと聞こえてきます。
やがてクローゼットの外の明かりが落ち、ギシギシというベッドの音が鳴るのを聞きながらジャックは眠りに落ちていきます。


Room
ジャックの可愛さが唯一の救いだよ……


クローゼットの中とは言え、小さな子供が寝ている同じ部屋で女性を凌辱する男の行動に、嫌悪感で体中鳥肌が立ちました。
ジャックにとっては、まだ意味が分かっていなかったとしても、そんな事が日常だというのがショックでした。
そしてジョイが犯人とジャックを出来るだけ接触しないよう頑張っている姿が健気で痛々しくて辛かった。



救いなのは度々挟み込まれるジャック目線のモノローグ。
無垢な瞳で語られる日々は、本来殺伐とした監禁生活のはずが、何やら不思議の国のおとぎ話のように感じるのです。
母のジョイではなく、ジャックの目線で物語が進むからこそ、観客は若干第三者的目線で落ち着いてストーリーを追えるんだなと思いました。


Room


最初の物語のハイライト、命を懸けた決死の脱出劇とその過程を是非観てほしい!
あの緊張感。
初めて「部屋」以外の世界と接触を持ったジャックの瑞々しい感性を一緒に体現するようなカメラワークと編集。
エイブラハムソン監督の才能に感服です。
ジャックの目と一緒に、”初めて見た”外の世界の美しさ、怖さ、そして世界は刺激に溢れています。
ジャックとシンクロして見る世界は美しかった。


Room
始めて触れる自然


通常ならば監禁から脱出するところで終わる映画が多いでしょう。
しかし、この映画の本当の主題はそこから始まります。
いきなり現実の世界に飛び出したジャックとジョイ。


外の世界を全く知らなかった籠の鳥のジャックの戸惑いは想像出来ないほど凄いものでしょう。
怖がりながら、でも好奇心と周りの人間の愛情に支えられぐんぐん水を吸収するスポンジのようなジャックの存在に頬が緩みます。


Room


逆に監禁生活から現実世界に戻れたジョイの心のトラウマは、なまじ大人だからこそ大きく、深く、そのリバウンドのせいで苦しむ様がこれまた痛々しい。
あれほど戻りたかった外の世界なのに、7年という時間の重さ。
一気に押し寄せる世間とのずれや負荷、現実の世界の厳しさがジョイを苦しめます。


Room


ウィリアム・H・メイシー演じる父親は愛する娘を凌辱した犯人との間に生まれたジャックをどうしても精神的に受け入れる事ができません。
ジャックの顔を見ることも、話しかけることもできない父親とジョイは決裂してしまいます。


心無いマスコミの下品で意地の悪いインタビューのせいで心を折られてしまうジョイ。
もー、ホントそっとしておいてあげて!と思う。
きっと今後も問題は山積みでしょう。
無理解な世間やハイエナのようなマスコミ。
ジャックが成長し自らの出生の意味を理解できるようになったら?
大きな壁に何度も衝突するであろうことは、安易に想像できます。
それでも尚、それら問題を乗り越え頑張って生きていくだろう、という希望が映画に溢れているんです。
ジョイの母としての強さと、ジャックの無垢な魂の温かさ、家族の愛のありがたさ、そんなものに涙を抑えることが出来ませんでした。

ラストの二人の呟きに頑張って幸せになって!と祈らずにはいられませんでした。
ホントいい映画でした。


Room
27歳でのオスカーゲット
だよ。

母ジョイを演じたブリー・ラーソン。
何度も何度も折れそうになる心を奮い立たせ頑張る姿。
自らに降りかかる残酷な運命のふり幅の大きさに戸惑い、揺れ動き、それでも前に進もうと頑張るジョイを清々しく演じていて、ホント良かった。
生肉なんか食わなくても、アカデミー賞取れるんだよwww(毒)
彼女の出演作二作しか観てない。でも印象無いなー。
『21ジャンプストリート』出てた?教員の娘役かな?『ドン・ジョン』は……おお!喋らない妹か!
注目の『ショートターム』が未見はヤバいよね。
これから追っかけです、うん。


Room
もぉぉぉぉ……この愛らしさ!!


さて、特筆すべきはジャックを演じた ジェイコブ・トレンブレイくん。
あえて言います。
「上手に」演技する子役にかなり厳しい目線のわたしですが、とりあえずこの子には脱帽。
見た目が可愛いだけでないんです。
なんだこりゃ、この自然な演技!!


Room
天使


天窓からの明かりに手を伸ばしながら、必死にママが言っている事を理解しようとするジャック。
天使です。
見た目も映画の中での存在もキャラ付けもまんま天使。
参った。
お代わりした大きな理由が、もう一度ジャックを観たかったからってのが自分でちょっと信じられないよ。
無垢で健気で可哀想で最高に可愛かった


Room
この可愛さ、大人気でしょーともよ!


しかし欧米のお子は成長が早いので、この天使の少年もあと1~2年ですっかり青年になってしまうんだなー。
美少年美青年あんまり興味ないな~。
早くセクシーなおじさんになって帰ってきておくれwww


Room
おじさん好きのスイッチ入ったぜ


おじさんと言えば……。
個人的に、ジョイの母の再婚相手、レオを演じてたトム・マッカムスにスイッチ入ったんですけどーー!
なんだこの苦み走った、セクシーなおっさん。
カナダの役者さんなのか。
世界にはまだまだセクシーなおじさんがたくさんいるね~❤
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