『オデッセイ』 火星でぼっち 生き残れ!

『オデッセイ』(2015)アメリカ
原題/The Martian
監督/リドリー・スコット
出演/マット・デイモン ジェシカ・チャステイン 他


The Martian


火星での有人探査計画「アレス3」のクルーは探査任務中に火星の大砂嵐に襲われてしまう。
危険を感じたキャプテン・ルイス(ジェシカ・チャステイン)はミッションを放棄してロケットへ退避することを決断、クルーは探査船へど帰還しようとする。
しかしクルーの一人であるエンジニア、マーク・ワトニー(マット・デイモン)は砂嵐により破損したアンテナに直撃され嵐の向こうへ飛ばされてしまう。
連絡が途絶えてしまったマークを死亡したものと判断したクルーたちは彼を残し宇宙船へ戻り地球への帰路についてしまう。
ところが、死んだと思われていたマークは奇跡的に生きていたのだった。
空気も水も無く、わずかな食糧だけを頼りに生き残るためのマークの闘いが始まるのだった。



GG賞のミュージカル、コメディ部門で作品賞をゲットした本作はアンディ・ウィアーの小説『火星の人』を「スコット・フリー印に間違いなし」とみーすけから(勝手に)絶大なる信頼を寄せられているリドリー・スコットが監督。

The Martian
びしぃぃっ!! "信頼と安全"のスコットフリー印


主演のマット・デイモンは『インターステラ―』に引き続き、惑星に取り残された男を演じて同じくG・G賞主演男優賞を受賞しています。

The Martian
「僕、原作読んでるの」 珍しくジャガイモ感薄めなマット近影


ミッション中の事故でたった一人火星に取り残されてしまった宇宙飛行士マーク。
空気も水も無い過酷な火星の砂漠。
残されたわずかな食糧を頼りに、なんとか生き残ろうと闘うマークと、彼を連れ戻そうと奮起するNASAやクルー達の姿を描いた本作。

究極のサバイバル。とうぜん予告トレーラーは相変わらずの「愛と感動」押し。

と・こ・ろ・が・ね・・・

想像の遥か斜め上をいく「楽しく」「明るく」「笑える」映画なんだよーー!
G・G賞のカテゴリーが(戦略もあるでしょうが)「ミュージカル、コメディ部門」だったことや、TLに溢れる感想に「これDASH村火星版だよ~」ってのがたくさん落ちてくるのでも何となく想像はしてたけど。


The Martian
ジャガイモがジャガイモの栽培て言うな


劇中で使われる音楽がノリノリな70年代ディスコサウンドというのも話題ですね。
サバイバル映画だけど、ものすっごくポジティブで前向きな映画。
しかーし!もちろん溢れる感動もある!
リド爺のここ最近の作品って人にお勧めする時にあれこれ説明が必要だったんだなー。
でも本作は「面白いよ!観ておいで!」と手放しで全力お勧めできる映画です。


The Martian
火星の嵐来るーーヤバい、待避ーー!!



嵐ナウ エライコッチャエライコッチャエライコッチャ


猛烈な火星の嵐により吹っ飛んだ機材にぶち当たるマーク。
宇宙服の破損を知らせるアラームを最後にマークからの連絡が途絶えてしまいます。
破損個所から空気が漏れたらそれでEND。
ところが、お腹に刺さったアンテナが蓋代わりになり酸素漏れを食い止め、奇跡的にマークは生き残っていました。



あいでででで!!!


気が付けば嵐の去った火星に独り取り残されていたマーク。
キャンプベースに戻りなんとか自力で怪我の応急処置を行う。
傷も幸い重篤ではない。
しかし・・・
空気も水もない火星の砂漠。
食糧も限られている。
NASAとも宇宙船のクルーとも連絡をとる手段はない。
極限下の状況で、しかしマークは呟きます。
「死んでたまるか!!」と・・・。

The Martian
生き残ったりなんかしちゃったりなんかして……びっくりぃ?


The Martian
ぼっち感炸裂なマーク しかし……


生きるために奮闘するマークがとにかく冷静。あーんど非常にポジティブ。
現実の話、極限下でパニクる人は宇宙飛行士の試験にはパスできないそうな。まそりゃそーだわな。
冷静に状況を見て的確に判断、行動しないと失敗イコール死だからね。

本作のマークも焦らず淡々と行動します。
愚痴は言うけど。でもとてもユーモラス。
食べるものが少ない?ナメんなよ、俺って植物学者なんだぞ!栽培すんぞ!
感謝祭用に持ち込んでいたジャガイモを種イモにして、火星の土と自分や仲間の排泄物を肥しにしてキャンプベース内にジャガイモ畑を作る。



ジャガイモがジャガイモを栽培……言うなっての!


次は水!水いるよねー!
水素とロケット燃料からH2Oができるんだぜ!
科学実験だぞーー。

The Martian
ひゃほーー! 生き残りたいなら中学の理科覚えとかにゃー。


極限下の状況にありながら、常に前を向きに行動するマークに観客は共にドキドキし、笑い、歓喜するんです。
主人公のマークを演じるマット・デイモンが非常にヨロシイ!花丸💮あげたい!
冷静ながらユーモアを忘れず頑張るマークのキャラは育ちの良さと品と可愛さのあるジャガイモ・デイモンにピッタリだった。
壁にぶち当たってもメゲず奮起する彼に頑張れ!頑張れ!と応援せずにはいられません。



ジャガイモがジャガイモを……やーめーてーー!


さて本作、劇中に流れる曲がどれもマークの気持ちやシーンとリンクしてるんですよ。
楽曲はジェシカ・チャステイン演じるキャプテン メリッサ・ルイス准将 が持ち込んだ「センス最悪だよ!」とマークが文句垂れるww70年代ディスコサウンドCD。
「捨てないで~私を捨てないで~♪」や、「置いてかないで~あなたがいないと私は生きていけない~♪」な歌詞はまんま取り残されたマークの心情。
それがだんだん前向きな曲に移行していきます。
暖を取るための発熱グッズをゲットでドナ・サマーの「Hot Stuff」に思わずニヤリ。
世界中の人々がマーク救出に盛り上がると、みんな同じ船でいこうぜ!な「Rock the Boat」。
音楽にあわせ思わず体がリズムを取るのを我慢できない~。



いぇぇーーい! 基本こんな感じッスww



およそ火星で孤独に闘う男の奮闘を語る映画と思えないポジティブな演出。
挫けそうになりながらも強い精神力とユーモアと知性で乗り越えるマーク。
そしてそれをサポートするNASAのスタッフや全世界でマークを見守る科学者や研究者。
ありがちな意地悪な奴や、悪い奴の嫌がらせの逸話は一切無い。



クルーの皆の団結力も素晴らしかった


リドリー・スコット監督はなぜここまで明るい演出にこだわってんだろう?
何となくの想像は、映画が進みだんだん確信になってきました。


以下はみーすけの勝手な個人的解釈ですが・・・。



弟のトニーを自殺という形で亡くしたリドリー。
この映画はリドリーからトニーへの様々な思いをぶつけた作品なのかなと。
独り闘うマークはトニー。
現実の世界では生きる事の闘いに負けてしまったトニーに、生きろ!生きろ!頑張ってくれ!と。
マーク以外のキャラは全てリドリーのマインドの投影。
そう考えると、主人公のマークの背景がなぜかふわっとしか説明されなかったり、家庭も恋人もいない孤独な背景として演出したのもなんか納得できるし……。
他の映画だとありがちなクルーのメンバーとの恋愛も無いんですよ。
例えばジェシカ姐さん演じるメリッサとマークは、実は心の中で愛し合ってましたとさ、なんてありがちじゃないですか。
でもそういう展開にしない。
自分達の危険も顧みずマークを助けようとするクルー達、とりわけメリッサはリドリー自身を投影してるんじゃないかなーって。
現実の世界で助けられなかったトニーをせめてスクリーンの上では絶対に助けたい!助ける!というリドリーの叫び。
メリッサの「もう二度とクルーを失いたくないの!」というセリフ。
そんな風に思ったら堪らなくなってきました。


そして、生きろ!生きろ!生きろ!という力強いメッセージが最高潮に達した時かかる曲。
それが David Bowieの「 Starman」。


”ほら、スターマンが宇宙で待っているよ”


宇宙で待つマークを皆が助けようと奮起しているシーンで流れるボウイさんの曲に、堪らずみーすけの涙腺崩壊。
とても明るく、前向きなシーンで、口元は微笑んでるのに、ボロボロ涙が止まらなくて。

自分だけだと思っていたら同士がいたので白状したよ、れんさんww
物語のこのタイミングでこの曲を流すのか!!と。
フルコーラスでかかる「 Starman」を聴きながら、この選曲ってリド爺はボウイさんの病気を知ってたのかしら?なんて思っちゃいました。
最高のタイミングでの最高な選曲。





「極上の演出だろ?」とニヤリと笑うボウイさんの顔が浮かんで。勝手にだけどー。
ああ、ボウイさんは遠い宇宙の星から地球を眺めてるんだわ、なんて思えたですよ。
訃報からこっちずーーーーーーーっと凹みっぱなしだったのがぐいぃぃんって空気入ってきたみたいになったんですよね。
嗚呼、ホントにホントに観て良かった。



とにかく「生きろ!」というリド爺の陽性なメッセージに強く心を打たれました。
エンドロールの「I will survive」にも涙が溢れて止まらなかったス。
見応えあります!
ぜひ!大きな劇場でぜひ!!!



しかしリド爺のバイタリティって凄いよね。
現在78歳のリド爺、ほぼ1年に1作のペースで作品を発表してるでしょ。
あのSF映画の金字塔『エイリアン』の前哨譚である『プロメテウス』の続編も着々と進んでいるようだし、ファスも出るし?本当に楽しみ。



うへへ❤



おまけ

火星繋がりなんですか「Mars」ってそのものズバリな名前のチョコバーがあってですねー、以前は輸入食材店でよく見かけてたのに、なんか最近輸入されないのか見かけなくて。
これいっちゃん美味しいのに~。因みに中はヌガーとキャラメルインのチョコバーで激甘ざんす。スニッカーズみたいなこれです。


The Martian
超まいうーなんだよ。ジャンクだよ。バレンタインはこれくれだよ。


んでスニッカー繋がりで、NFLで流れたというウィレム・デフォー出演のCM。
デフォーのおっきな白いおパンツが可愛い!
モンローが大好きな彼はこの白いドレスを着る誘惑に抗えなくてCM受けたとか。
ラブリー❤





映画とは全く関係ないッスね、すません。
でも、ウィレムがーー!(笑)
うふふ。なんか調子出てきたなーみーすけ。
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映画「オデッセイ」

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映画『オデッセイ』 THE MARTIAN ネタバレでお節介な解説

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元気でなにより!

う~~ん、調子が右肩上がりのようでなによりデッス!!
みーすけ殿の元気な文章が炸裂してこそ、これから映画界も…って、話がソレた?

リドリー印、私も信頼を寄せておりますデス!
コレ観たいんだよ!マジで!いやジャガイモ作るジャガイモ君はさほど
どーでもいいんだけど、あちこちで「ぼっち映画なのに楽しぃ♪」って噂がね!

でさ、あーた、聞いてよ。ジョニデの『ブラック・スキャンダル』観に行こうと思ったら
地元の映画館やってないの。そんなんありかよぉ~?
もうさ、田舎はコレだからヤなんだよな~。

あ、同い年デフォー氏のCMおもっしぇわ!!足キレイだし(そこ?)顔怖いし(笑)

今日も色々楽しませて頂きました。サンキュ!風邪ひくなよ!
最後に、ボウイさんの写真素敵です。とっても!

Re: 元気でなにより!

chacoさん

凹みがかなり復活です。
本当にこれは元気出ます。久々に映画に元気もらった!って感じでしてわ。
ジャガイモ・デイモン興味無くてもこれは間違いなしよー。
生きろー生きろ!生きてるって素晴らしいってゆーのが、ちっとも説教臭くなくダイレクトに響いて、素晴らしく感動しました。
音楽いーですよー。
ボウイさんありがとう、リド爺ありがとう、ジャガイモ・デイモンありがとう!そしてありがとう!!です。
ご心配お掛けしましたが、復活の兆しが見えたって感じよーん。

え、『ブラック・スキャンダル』やってないんですか?
あららーー(笑)
わたし今週末観ようかな。
でもそれより愛するファスのジョブズが今週末から公開です。
これで完璧復活できます。
映画ファンで良かった❤

No title

きたね~。これは本当に楽しかったし元気出た。
そしてやっぱマット=トニー説に泣く~。
同じ道でやってきた弟が自殺するなんて、どれだけ寂しかっただろうと思うけど
こういうメッセージを捧げるリドリー監督素敵だ。
オスカーの監督賞にノミネートされなかったのが凄く残念に思うね。
ブルーレイ届いたから再見します。
コメンタリーあるかな。楽しみ。
デフォーかわええw

Re: No title

pu-koさん

悲しく辛い自分の思いを作品として昇華させることでリド爺は前に進むんだろうな。
とても力強い人だなーと益々スコットフリー印に肩入れしちゃうわ。
オスカー選考漏れは本当に残念。
でも次々と作品を創るバイタリティにはマジ頭下がりますね。
頑張ってほしい!
Blu-rayいーなー、もう出てるんだね。
わたしも公開中に何回か再見するー。

ふふ、で、明日は天使の映画に行ってくるーー❤

しゃーない

でね、

ジョニデにフラれたからさ、『ぼっち・ジャガイモ』と『ザ・ウォーク』
でも観に行こうかと。

こちらもやっと春っぽくなってきたんで
長靴脱いで(笑)映画館にでも行こうかと・・・

あ、WOWOWの「第88回アカデミー・ノミネーション」って15分の番組
観たんだけど、ざーーーっと色々紹介してね、アナタのファス様も出てたし、
何よりウケたのが、アメリカ在住の映画解説者のコメント、
「これで5度目の主演男優賞ノミネートのレオ。この辺で受賞させないと
何しでかすかわからない、わはははは」ってな。。。。確かに。

ディカプリオがノミネートされる時って、いっつもすんげ~強敵がいる時なんだよね。
可哀想な星の元に生まれてるのかもかも~(苦笑)

Re: しゃーない

chacoさん

おおー、ジャガイモ興味無くても、これは映画としてとてもいい作品なので長靴で行っちゃってーー(笑)
あ、綱渡り映画も行かなきゃなー。
でも明日は天使ファスのジョブズ初日かぶりつきさ!

へへ、今年は期間限定でWOWOW加入したので、オスカー当日は有給取ってライブで見ますん。
ファスは前哨戦では勢い凄かったけど、ディカプーが一気に本命になってるね。
途中喉を負傷して声が出せない役らしい。わたしゃあの声が苦手なんだよな。今年こそはもしかしたら取れるかもね。ファスにあげたいけど、作品観てからでないと判断できんわー。
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天邪鬼なので映画の好みも多少偏りありです
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