シングルマン 錆びた映画脳に潤い

どーもー!みーすけです。
さて、ここ数か月、「傑作!感動した」「素晴らしい作品だった」「最高に面白い!」等々評判のよろしい劇場公開作品を何作か鑑賞するも、

「うーん、あんま響かないなぁ」「そこまでいいか?」「なんかイマイチ」

って事が続き、これは自分の感性が鈍い?審美眼が錆びた?とけっこう凹んで、しばらく劇場鑑賞控えようかなぁと真剣に悩んでたんですが。
HDDの整理をしていて本作と目があって久々に再見。それこそ心が震えて涙が止まらなくてそーかここ最近に観た作品は単に自分の感性に合わなかったんだなって安心できたよ。トム・フォードありがとよ、これからもヨロシクな ←上から

数本の書きかけ新作レビューより今回はこれ、『シングルマン』です。


A single man


『シングルマン』(2009)アメリカ
原題/A Single Man
監督/トム・フォード
出演/コリン・ファース ジュリアン・ムーア マシュー・グード ニコラス・ホルト



キューバ危機下にある1962年のロサンゼルス。
イギリス人の大学教授ジョージ(コリン・ファース)は16年来のパートナーだった最愛の男性ジム(マシュー・グード)を交通事故で亡くし、失意のどん底にいた。
生きる価値まで見失ったジョージはその日自殺の準備を進めるのだったが……。


A single man
最愛のパートナーを亡くした大学教授


A single man
二人の恋愛は家族に認められず、葬式の参加も拒否られてしまう 辛すぎ💧


世界的なファッションデザイナー、トム・フォードの映画監督デビュー作は、キューバ危機真っただ中のアメリカ西海岸を舞台に、恋人を亡くし失意の底にいる大学教授が死を決意し自殺するために準備を進める「ある1日」を描いた作品です。
主人公の大学教授ジョージには目を見張るほど素敵にスーツを着こなしたコリン・ファース


A single man
身体も絞って頑張りました


映画冒頭水の中でもがくジョージの姿が。
暗い水中で必死にあらがっても、深い水底から浮き上がることはできない。
恋人ジムを喪った悲しみで息をするのも苦しく、まるで溺れているような日々を過ごすジョージの心象風景です。


A single man


さらに実際は目にしていない事故現場で、横転した車から投げ出され瞳孔の光を無くし冷たくなっているジムに口付ける夢を見るジョージ。


A single man

朝が来ると身体は勝手に目覚め、また同じ虚無の日を過ごさなければならない辛さ。


A single man
目覚める度に感じる喪失感 これは辛い


愛する人のいない日々は苦しく無味乾燥で色褪せている。
生きることに絶望したジョージは、自殺する事を決意し朝から準備を進めます。
遺書をしたため、葬式用のスーツや靴を用意し、ネクタイの締め方までメモで指示するジョージ。


A single man
彼を取り巻く日々は色味を無くしている


ところがいざ死ぬことを覚悟したとたん、グレーの世界にも色味がある事に気づくジョージ。
ドラッグストアで出会った青年と一緒に吸うタバコの美味しさ。


A single man
バックが『サイコ』の看板ってのがツボだわー。


A single man
素敵な青年にうっとり。 この人ルーク・エヴァンスの元カレ


疎ましかった隣家の少女の愛らしさ。


A single man
一気に画面に溢れるブルーに目が覚めるよう


そして授業に出席しているケニー(ニコラス・ホルト)と語らう楽しさ……。
恋人ジムとの思い出に浸りながらも、生きる事の喜びをもう一度見つめ直そうとするジョージなのですが……。


A single man
B.Bみたいな女子よりも美少年!


表現する事に秀でた人はファッションだろうが映画だろうがセンスあるものを創れちゃうんだな。
トム・フォードが創りだす洗練された映像スタイルは初監督作とは思えないほど秀逸。
たとえ過剰に趣味に走っていても、ステレオタイプなお洒落感だとしても、ものっ凄く分かりやすい演出だとしても、トム・フォードこだわりの美学とセンス溢れるそれらに息を飲みます。


A single man
リラックスした二人 ホントに幸せそうなのに....


特筆すべきは画面の色。
失意のジョージが目にする日常は、彩(いろどり)に欠けグレーッシュにくすんでいます。
ところが一転心ときめかすモノを目にした途端、ハッとするほどヴィヴィッドな色が画面に溢れ、世界は光と色彩に染まります。
それは例えば、上半身裸でテニスに興じる生徒だったり、少女のブルーのドレスだったり、赤や黄色の鉛筆削り、フォックステリアの愛らしい瞳。
皮肉にも死を決意した事で、逆に自分の周りに愛しい事柄がある事に気づくジョージ。
色彩で表す演出は分かりやすい。でも、だからこそストンとこちらに伝わるんですね。


A single man
モノクロな思い出


今はどん底に辛いけれど、いつか悲しみは思い出に変わり明るく彩られた日々が戻るかもしれない。
ソファーで眠る天使のようなケニーを見つめるジョージの心に暖かな想いが溢れ、彼の世界は明るい色に染まります。


しかし皮肉な運命は黒い口を開けてジョージを待っている。
これ、かなり鬱なエンディングです。
えええーー?!今それが起こるかーー!?って。
静かにジョージに近付く黒靴の足先を見ると、もう胸がギュッと締め付けられて、もぉぉ~~!
泣ける.....。
しかしなぜかそこまで気持ちが落ち込まない。
哀しく、切なく、でもほっとした気持ちにもなる不思議なラスト。
優しい口づけに癒されました。



役者の演技もこれまた素晴らしい。
コリン・ファース
監督自らデザインしたミラノ製スーツをびしっと着込み、時代感溢れる黒メガネはまるで『国際諜報局』のハリー・パーマー=ケイン様!
てか、この姿が『キングスマン』配役への布石になったに違いない。
喪った愛の大きさに嘆き、なんとかもがくジョージの可哀想が堪らん。


A single man
細かい仕草や表情で内面が伝わる流石の演技力


ちょっとした目の表情やセリフの言い回しに愛情やときめきを感じる繊細な演技は、さすがオスカー役者の面目躍如ですね。
もうホント素敵、としか言いようがない。



共演のジュリアン・ムーアが演じる蓮っ葉なのに脆い女性チャーリーはハマり過ぎ。


A single man
「元カノ」で今も親友という微妙な立場


『アバウト・ア・ボーイ』後 あっと驚く美青年に成長した当時19歳のニコラス・ホルトにも驚いた。可愛いくて♪ジョージがメロってなるの分かる。


A single man
あの前髪パツンが美青年に成長だもんなー、当時ビックリしたなー


しかし今回声を大にして言いたいのは、


マシュー・グードはいいぞ!!   です。


A single man
目です、目力!!

事故で亡くなる恋人のジムを演じるマシュー・グードの目!
何度も言うけどわたしはこの人の瞳孔開きっぱみたいな青い目が大好き。
本作では無垢で可愛い年下彼氏の役だけど、パク・チャヌク監督の『イノセント・ガーデン』を観た時に「ああ!この監督分かってる!!と思った。


A single man
もっと怪しい役やってくれーー 絶対似合うよマシュグ


マシュグのあの青い目は、深く暗い何かを秘めてる危ない色が似あうんだよ~。
ワンコと遊ぶマシュグも可愛いけどね♪


A single man
確信犯的に可愛すぎか


さて、錆びかけの映画脳をONにしてくれた本作。
英国役者バンザイ!って事で。
書きかけの新作映画の記事でも仕上げますかぁぁ。


では、さらば!!
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tag : コリン・ファース マシュー・グード

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No title

あーーーー、好きすぎる。
当時星で評価してた私が満点越えの星6個を献上し、この年のナンバーワンに選んだんだった。
トム・フォード、本当にこれが初映画監督作品なのかと驚くよね。
音楽も美しいんだよね。役者選びの審美眼も流石。
マシュグには私この時魅力を感じられなかったんだけど、『イノセント・ガーデン』と『イミテーション・ゲーム』の彼はよかった。
ニコラス・ホルトもこんな美しく成長するとはで驚いたなぁ。美しいままでいて欲しい。
今年の英国男優総選挙も佳境に入ったけど、今年はコリンも順位あげてきそうな気配。

Re: No title

pu-koさん

ぬあぁぁぁ!pu-koさんも好き?!そっかー当時のNo.1だったんだ。
ホントにこれが初監督って信じられないよね。どんだけ多彩なんだトム・フォード。
画面にふわぁぁっと色が溢れたときの衝撃、鳥肌がぞわぞわっと立ったの覚えてるよ。
そうそう音楽も素敵だった。演出、編集、撮影、演技、どれを取っても完成度の高い作品だよねー。

んふふ、マシュグのぱっかんな目がね、好きなんですよ。面長だしね。
ニコラス・ホルトは普通のおっさんぽくなってきたね.....💧

No title

スマン今頃・・・

コレ昔観たような観ないような・・・
観てないな。

一番の驚きは、
>『アバウト・ア・ボーイ』後 あっと驚く美青年に成長した当時19歳のニコラス・ホルトにも驚いた。
マジ?アタシも驚いた!!これですね、ブっまげは。

コリン・ファースは演技は上手いけど、喋り方がどーもね。
だから『英国王のスピーチ』だったっけ?アレ、タイトル違うっけ?
あれが一番のハマり役かと。。。ゴメン


Re: No title

chacoさん

コリンのこれぞ英国!な雰囲気がね、この作品で生きてるんだよー。
下駄顔wwwなので基本的には萌えないけど、これと『裏切りのサーカス』と『ブリジット・ジョーンズの日記』と『キングスマン』のコリンは大好き。
まーしかしホルト君があの前髪パツンの少年だとわかった時の衝撃ね!基本的にヤングにあまり興味はないけど、この作品のホルト君は素晴らしい美しい。
マシュグも美しい。
てかやはり、監督の手腕ですね~。

No title

こんにちは。
コメントさせていただくのは初めてです。
みーすけさんが冒頭にお書きになってる状況があまりに似ていたので
ついコメントさせていただいちゃいました。
私はお目当て作品がなくて何気にDVDで借りて観た時にやられちゃいまして、
鮮やかな色彩の魅惑の映像にくぎ付けになりました。
目が覚めるような作品でしたよね。
こんな映画が観たかった!と叫びたいくらいでした(笑)
マシュー・グード氏は「マッチ・ポイント」くらいしか気づいてなかった迂闊者ですが
この作品で驚きました。
あのニコラス少年も同一人物とは思えない成長ぶりにも驚きました。
脚本の緻密さに唸り、イケメンオンパレードには垂涎し(はしたなくてすみません!)
映像に魅了された映画でした。
興奮してつい長くなりすみませんでした。
またお邪魔させていただければ、光栄です。


Re: No title

そよこさん
コメントありがとうございます!
そそ、映像の美しさったらないですよね!
わたしこれ何度も観てるくせに、こんなに泣けたの初めてでした。
映画は同じ作品でも観たときのメンタルや状況によって受け止め方が変わりますよねー。だから何度も観るのを止めれません!
出演者のハマり具合と監督の審美眼にうっとりでした。
ふざけたブログですがまたぜひ覗きに来て下さい!
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いらっしゃいませ
天邪鬼なので映画の好みも多少偏りありです
毒も吐き、妄想も垂れ流しますが笑って許してくださいませ
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