「おとなの恋には嘘がある」 言葉はいらない

「おとなの恋には嘘がある」 (2013)アメリカ
原題/Enough Said
監督/ニコール・ホロフセナー
出演/ジュリア・ルイス=ドレイファス  ジェームズ・ギャンドルフィーニ トニ・コレット キャサリン・キーナー 

Enough Said

離婚して10年。ボディ・セラピストのエヴァ(ジュリア・ルイス=ドレイファス)は仲のいい娘、友人たちに囲まれ不満のない毎日を過ごしていた。
しかし大学進学を期に娘が独り立ちする事になり、急に独りの生活に寂しさを感じてしまう。
そんなある日、パーティーで出会ったアルバート(ジェームズ・ギャンドルフィーニ)とデートすることになるエヴァ。
お互いに好印象をもった二人は、程なく付き合う事になる。
またエヴァは、同じパーティーで知り合い顧客になった詩人のマリアンヌ(キャサリン・キーナー)とも親しい友人になり、毎日が楽しく充実感を感じていました。
ところが、マリアンヌとお互いの元夫の悪口を言い合っている時に驚くことに気が付く。
なんとアルバートはマリアンヌの離婚した元夫だったのだ・・・。

Enough Said
初デートでお互い好印象を持つ二人。 ギャンドルちゃん、ジュリアの2.5倍ぐらいあるなぁ(笑)
Enough Said
始めての~チュウ♪ おずおずとして初々しくて可愛いかった。 ま、この後ヤル事はヤルんですがね(笑)

Enough Said
職場に連れて行ったり、娘に会わせたり、アルバートが真剣なのが分かって、順調だったのに・・・(泣)

早いものでわたしの大好きなジェームズ・ギャンドルフィーニが急逝して、来月19日で1年になります。
彼が亡くなった後に公開されたこの映画、「SEX AND THE CITY」の演出・脚本を手掛けたニコール・ホロフセナー監督の作品。
センスの無いトホホな邦題に軽いラブコメを想像しがちですが、等身大の大人のビターな恋愛がリアルに描かれていて、ギャンドルちゃんファンでなくとも納得できる素敵な作品でした。
因みにギャンドルちゃんの演技は今年のゴールデン・グローブ賞始め数々の賞にノミネートされ、ボストン映画批評家協会賞等を受賞しています。

主人公のエヴァは離婚して娘と生活するシングル・マザー。
ボディ・セラピストとしての腕があり仕事は順調、気の置けないない友人もいて楽しく暮らしています。
ところが、娘が大学進学のため、家を出る事になり、突如孤独を感じるエヴァ。
友人サラたち夫婦と一緒に恋人探しにパーティーへ出かけ、そこでギャンドルちゃん演じるアルバートと出会いデートする事になります。
初対面では特に何も感じず「すっごいデブな人だったわよ~」とサラに毒吐いてたエヴァですが、いざ初デートで会話をするとアルバートがことのほか居心地いい人だと感じるんですね。
お互いバツイチで大学へ進む一人娘を持ち、ユーモアのセンスも似ている。
会話が途切れず一緒に過ごして楽しくて仕方がないと、いいとこばかり。
アルバートもエヴァに惹かれ二人は付き合う事になります。
おおらかで飾らない人柄で、ちょっとシャイで優しいクマちゃんみたいなアルバートは素顔のギャンドルちゃんを彷彿とさせて、観ていて頬が緩んで困った(笑)

Enough Said
撮影中のオフショット  ギャンドルちゃんのこの笑顔♡ テディベアみたいでホントに可愛い~♡
 
まあ、ここから問題が起こるに決まっててそれも結構シビアです。
アルバートと知り合った同じパーティーで出会ったマリアンヌ。
エヴァのマッサージの顧客になり、友人としても親しく付き合っていた彼女の別れた元夫がアルバートだとわかるのです。
タイミングを逸したエヴァはアルバートにもマリアンヌにもその事を伝える事が出来ず時間だけが過ぎます。
これが邦題にもなった「嘘」なのかなぁ~。わたし的には「嘘」というきつい言葉は当てはまらないような気がしますが。

Enough Said
洗練された生活を送るマリアンヌはアルバートと上手く行かなかった。その考えに影響されるエヴァ。おバカ!! 

一度結婚に失敗してるエヴァは、アイスクリームではないけれど、”お試し試食”としてマリアンヌが語るアルバートの悪口を聞いてしまう。
イタイ行為だけれど、まあね、でもね、保険をかけたいエヴァの気持ちも分からんでもない。
ただ、マリアンヌの悪口を聞くうちに自分の価値観が引きずられだしてしまうエヴァ。
おおらか=だらしない 飾らない=整理整頓できない
同じ事柄も各人の価値観によってとらえ方が違うものですが、少しづつマイナス方向に感情が振れてしまうんです。
あかんがな!
微妙に変わるエヴァの態度にアルバートも不信を抱きやがて二人はギクシャクするようになってしまい、そして・・・。

Enough Said
チップスにワカモレディップをいっぱい付けるアルバートを冷ややかに見るエヴァ。「カロリー高いわよ」なんて言っちゃう。

Enough Said
急に背中向けて寝たら そりゃ不信に思うってば! 

等身大の中年のカップルを演じた二人の演技が自然でとても良かった。
ジュリア・ルイス=ドレイファスの女性の心の揺らぎが伝わる演技は、エヴァの行為を自分でもやってしまうかもと思わされるリアル感があって、胸に響きました。
ジュリアはこの演技でゴールデン・グローブでノミネートされていましたね。
また、脚本も担当した監督の演出の巧みさもあるのかな。
で、何と言ってもギャンドルちゃん。
多少だらしなくて、弛すぎるスウェットを着ておちん●んが飛び出ちゃうなんて失態をやらかしますが、優しく暖かい人柄のアルバートは素のギャンドルちゃんを彷彿とさせてニマニマしてしまう^^

Enough Said
ダブダブのスウェット着てるもんだから、大切な物が出てるがな!!

笑ってるのに目が笑ってないおっかないマフィアやギャングといった悪役が多かった彼ですが、あれは演技力の賜物。
素顔のギャンドルフィーニはこんなだったんだろうと思わせる優しい等身大の男性を好演しています。
演技の幅の広さも分かり、これから色んな役ができただろうに本当に早すぎる死が悔やまれます。

原題の「Enough said」。「もういいよ、何も言わなくて」って感じでしょうかね。
みーすけのなんちゃって英会話だと、「enough」ってちょっとネガティブな意味で使うことが多いようなイメージがあるんですよね。「やめれ!」とか「もう要らん!」とか(笑)

この原題、傷心のアルバートが言うと、きっと字幕は「もう充分。うんざり、黙れ」って事になるんだろうな。
いくらエヴァが言い訳をしても受け入れることができないほど傷ついてしまったアルバート。
「陳腐だけれど、本当に心を打ち砕かれたんだよ」と淡々と語る姿に、ああ、エヴァの事が大好きだったんだなというのが伝わってきて本当に切なかった。
そして、怒鳴ったり激昂したりしないアルバートの紳士的な態度に好感度ますますアップ!
って、わたしが大ファンだから余計かな???

だけどエヴァ、イタイ思いをして人間的にちょっと成長します。
そしてラスト、アルバートが優しく微笑んで同じ「Enough said」って言うと、全く逆の意味になるんでしょうね。
字幕はきっと「もういいよ、言葉はいらないから」って感じかしらん。

Enough Said

人それぞれ相性ってあって、マリアンヌとアルバートは相容れない関係だったけど、エヴァ本人が居心地がいいと思える人に出会った事が大切。
不安になるのはわかるけど、自分の気持ちに正直に相手と向き合う事が大切なんですね。
ベッドにナイトテーブルなんか無くてもぜんぜん構わないぢゃん!
大切な人を傷つけてしまうような事を深く考えず言ったりやったりしてしまう。女って意外と残酷。
気をつけなくっちゃと、自分にいろいろと自問自答もしてしまう作品でした。
なぜか全国¥1、000均一で上映中なり。ギャンドルフィーニ拡散運動かな?(笑)
彼にマフィアやギャングのイメージしか持ってない人にこそ観てもらいたいです!ぜひ!

Enough Said
ああ~もう、ピカピカの笑顔が可愛い♡  亡くなってしまったのが本当に本当に悲しい・・・。

さて、ギャンドルちゃんが遺した未公開作は残すところトム・ハーディとの共演「The Drop」のみになりました。
わたし個人としては本作のような等身大の優しい男性の演技をもっともっと観たかった(泣)
でも彼の素晴らしい演技の数々は多くの映画フィルムの中に残り、これからもたくさんの人々に観られていくでしょう。
だからわたしもずっと彼のファンであり続けます。ギャンドルちゃん、大好きだよ。
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tag : ジェームズ・ギャンドルフィーニ

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No title

わーい、観ましたね。
そう、私もギャンドルちゃん(みーすけさん流がうつったw)のことよく知らないのに
素の彼もきっとこんななんだろうなぁと感じた。
女としてはイヴァがイタくて(多分自分もやらかしそうで)居心地悪い部分もあったんだけど
なにかとっても正直な作品だと思いますね。
私もこんな優しいお顔の彼をもっと見たかったよ。
来月で一年なのね。特集しなくちゃ。
TBさせてもらいますね。

Re: No title

pu-koさん

うん、やっと観れた♪
もう「ギャンドルちゃん」拡散しちゃってしちゃって(笑)
わたしも役者としてメディアに出る彼しか知らないけど、どのインタビューも
ちょっと恥ずかしそうに照れながら話す姿に「絶対シャイで可愛い!」と勝手にキュン♡
今回鑑賞中も、「ああ、もういないのか」ってふっとよぎって、涙が出そうになったりしてね^^;
もっかいぐらい観に行くつもりです。DVDも予約済みさ(笑)
なんだろか、好みのタイプはファスみたいな面長細マッチョハンサムなのに全然タイプが違うよね(笑)
残り少ない未公開作を楽しみに待ちます。
TB、あざ~す!
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天邪鬼なので映画の好みも多少偏りありです
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