「薔薇の名前」  中世のホームズ 髪は無い

「薔薇の名前」 (1986)フランス/イタリア/ドイツ
原題/THE NAME OF THE ROSE
監督/ジャン=ジャック・アノー
出演/ショーン・コネリー  F・マーレー・エイブラハム クリスチャン・スレーター
   他 ロン・パールマンを筆頭に 異相な方々大勢

薔薇の名前
 

「黙秘」に続いてのオールタイムベストシリーズ。
みーすけの永遠のアイコン♡ショーン・コネリー主演のゴシック感溢れるミステリー。

薔薇の名前
毛穴全開!! 当時56歳のショーン・コネリー 脂乗ってますね~♪


14世紀 北イタリアの修道院で奇怪な殺人事件が起こり、修道士達は悪魔の仕業だと恐れ慄く。
聡明な修道士 バスカヴィル(!)のウィリアムは弟子のアドソ(クリスチャン・スレーター)と共に捜査にあたるが やがて事件の背景にはある禁書が深く関わっていると推察する。
そんな中 第二、第三の殺人が続き 修道院長は事件解決の為異端審問館のベルナルド・ギー(F・マーレー・エイブラハム)を招くのだった。

薔薇の名前
劣化など想像できない  初々しいクリスチャン・スレーター ※注 右の人物


超難解との噂を漏れ聞くウンベルト・エーコの同名小説の映画化。
原作の宗教的な深い考察とかウンチクとか難しい事はこの際横に置いといて、わたし的には この映画が醸し出す独特の世界観 おどろおどろしい雰囲気 謎解き そしてショーン・コネリーを楽しむ映画なんです。
14世紀 中世の荒涼とした山岳部に現れる惣郷な修道院の佇まいが何とも不気味。
映画の初っ端から この雰囲気に呑まれます。
この時代、絶対権力を誇っていたのは、聖職者なんですね。貧しい農民から税を取り、尊大な態度で権威を振りかざしています。 超やな感じ。
まあ、しかし、いきなり出てくるその修道師達の形相がよくぞここまでど感心するほど異相怪相。

薔薇の名前
ひゃ~!こんなんとか

薔薇の名前
こ、こんなんとか

薔薇の名前
これもすげーし

薔薇の名前
も~ど~しましょ~ね。 
「ジャッカルの日」の マイケル・ロンズデール、勇気の髪型!(切れてて見えねぇ)

薔薇の名前
 和むわ~(笑)

アノー監督はヨーロッパの舞台で活躍するユニークな形相の役者を探しまくったらしいんです。
修道院なのに、何か得たいの知れないものが巣くっているような雰囲気は舞台設定だけでなく、彼ら役者の形相でスケールアップですな。

薔薇の名前
図書館の再現も 細部まで手抜きございません!

さて、ここで先日のクイズの答えです。下の写真をご覧ください。
ロン・パールマンが怪奇的形相で出演している作品は? 
答えは本作 「薔薇の名前」でした~!!

薔薇の名前
「もう堪忍してくださ~い・・・」 どこまでがメイクかわからん…

異端のドルチーノ派だったサルバトーレを怪演。
強烈な異相の中でもひと際目立つそのインパクトありすぎなサルバトーレは、黒魔術的行為を行い異端審問官 
ベルナルド・ギーに おっそろしい拷問を受け もうヘロヘロなのです。
ベルナルドの執拗な拷問は半端でない残酷さです。

薔薇の名前
 「Me, stupid,stupid. Me know no, nothing, nothing...」  あら~ セリフ覚えてるわ


当時の悪魔裁判、魔女裁判て、冤罪以外の何ものでもないですよね。
教会の権威を守るがために「悪魔」やそれに付随する行為や物事を許さない・・・。
事件の背景にもこの考えが根底にあり、思想や言動の自由が無い世界の怖さを感じます。
殺人事件の真相に肉薄するウィリアム。 しかしその答えはキリスト教会が最も認めたくないある「事実」へ抵触してしまう為 またもやベルナルド・ギーと対立してしまうのです。

薔薇の名前

「はい、そこのあんた火炙りね!」

元異端審問官 主人公のウィリアムのキャラがまんまホームズを彷彿とさせます。
鋭い観察眼と洞察力で 観たものから事実を推理する彼の思考回路は探偵のそれです。
自分の能力に自信とプライドを持つウィリアムは、教会の隠す事実と異端審問官と対立し窮地に陥る訳ですが、
結末は皆さんの目でお確かめください。
冷静に考えると「そんな事であんた人殺すんかいな・・・」と呆れるような動機な訳ですが、宗教の名のもとに
殺戮が起こっているのは この中世の時代から今に至るまで何も変わっていません。
迷宮のラビリンスのような図書館でのクライマックスは迫力あります。
青年アドソの密通と叶うことの無い淡い恋。
舞台設定や物語はかなり陰鬱なおどろおどろしい世界観ですが、ユーモアもちゃんとあるし謎解きミステリーとして楽しめるのではないでしょうか。
絶対的キリスト教徒の中にある悪魔的な思想等とても興味深く面白い映画です。

薔薇の名前

ショーン・コネリーの出演作の中でも特に好きな作品でトップ3に入るかなぁ。
ビデオ、DVD 、Blu-rayと3パターン持ってるんですよ。
画像の良さは勿論Blu-rayですが、実は一番好きなのはビデオバージョンなんです。
何が違うかというと字幕。
劇場公開時の字幕とビデオ版のそれは多分同じで、長いことそのバージョンに慣れ親しんで見ていたので、
DVDになった時の字幕の変更がちょっと違和感あってなんとなく馴染めないんです。

あと、これはかなりショックだったのが、映画の最後に出る一節。

「薔薇は神の名づけたる名 
    我々のバラは名も無きバラ」


この部分がばっさりとカットされてるんですよ!これってどうよ~?!
何だか映画の最後の余韻をバッサリされた感じでかなりガッカリですよぉぉぉぉ。
老成したアドソが一生でたった一度の恋の相手 名も知らぬ少女の事を暗喩しているであろう文章。
意味良く分かんないけど(笑)あの文章に何やら奥の深~~いものを感じて一種のカタルシスさえ感じる
かなり大切な一節なのに・・・。
劇場バージョン見たことある方、どう思いますか?


まあね、わたしの中では 名作には変わりありませんがね。
そう、ショーンが出てりゃオッケーなんです てへへ♡
SEAN LV2

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薔薇の名前

“意識の流れ”とか 言われても字づらだけが 目の前を通過するだけで とても“流れづらかった” 「ユリシーズ」の ジェイムス・ジョイスと並んで 読破超難攻不落長編小説 ...

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美形禿ナンバー1!

いいですよね~ショーン・コネリー。^^
「ザルドス」って珍品もございましたが
まさにいいお顔立ち、恵まれたボディ。

ところで
本作当時スレイターはまだ17歳。
どうりでメンコかった。
69年生まれ今44歳。
「インタビュー・w・v」「告発」・・・
私の超オススメは「クライム&ダイヤモンド」!
これまんず映画自体が面白い!

スレーターの珍品は、WOWOWで観た
「その男は静かな隣人」(未)。
地なのか抜いたのか不毛な頭部も
侘しい一種愛の不毛を描いた隠れたるB級。(笑)

No title

あーーーー、映画観てたのに。。(笑)
どこまでがメイクかわからんパールマンだったのね~。
ほんと、僧侶たちも凄いインパクト
映画のおどろおどろしさは獄門島とかを彷彿とさせられました。
で、最後の台詞がばっさりだった?
私が観たのはどうだったのかな。これまた観直しです。。

Re: 美形禿ナンバー1!

vivajijiさん

わはははは!!美禿げて!

> 「ザルドス」って珍品もございましたが

あのふんどし風パンツと長いお下げね。フィルモグラフィには珍品や駄作も並びますが
動いて喋ってるだけでわたしは嬉しくなるという・・・(笑)子供の頃からのアイドルです~♡

> 私の超オススメは「クライム&ダイヤモンド」!
これ未見です。vivajijiさんとは映画のツボが似てるようなので、是非観てみますね。

> 「その男は静かな隣人」(未)。
で、こちらはわたしも☆チャンネルで見ました。
あの髪は確信犯でしょう??(笑)
主人公の頭も愛も不毛な侘し寂しな映画でしたね。 鑑賞後の寂寥感ったら・・・

Re: No title

pu-koさん
わたしの中では R・パールマン=サルヴァトーレなんです(笑)
あの御面相あってのパールマン。映画界に貴重な存在ですね。

ラスト、ベルナルド・ギーの運命に「ざまぁ!!」で、キリスト教を皮肉るような
展開も味わい深いですね。
ゴシックホラーっぽい雰囲気も大好物な一作です。
ラストの一節が無いととっても肩透かしで・・・
あれをカットしてるのは、日本版だけなのかなぁ~。

そのひとにとっての薔薇

この映画、初めて公開された時に映画館で見ました。みーすけさんが書いておられる通り、「超難解との噂を漏れ聞くウンベルト・エーコの同名小説の映画化。」という宣伝に乗せられて、「映画通と言われたかったら一度は見ておくべき映画。」として見に行きました。
見終わった後の感想は、と言えば、、、「何だか画面が暗くて難しかった。」というものでした。

時は経ち、ついこの間TVで再放送されていましたので改めて見てみました。
みーすけさんがご紹介されている、「妖怪百科」みたいな面々に感心する一方で、本当にショーン・コネリーはまり役ですね。私は特別コネリーが好きというわけではないのですが、この映画のコネリーは素晴らしいと思います。クリスチャン・スレイターという役者さんもよく知りませんがこの弟子役はピッタリでしたね。
中世の腐敗堕落した教会内部で、フランチェスコ会が神と聖フランチェスコの教えに忠実であろうと奮闘している様子もよく伝わってきましたが、そのフランチェスコ会内部でも司教におもねる人間が現れたり、一枚岩でないところなど実に興味深かったです。
また、殺人が起きるほどの禁書とは何か?
という種明かしが、現代の感覚では「えっ。」と思いますが逆に「信仰がすべて」の時代には説得力がありましたね。

今回のTV放映では最後の「薔薇は神の名づけたる名 我々のバラは名も無きバラ」まできっちり放送されていましたが、私の場合、「えっ、薔薇の名前ってそういうこと?」とちょっと拍子抜けしました。今回の映画で私が一番おもしろかったのは、「宗教の堕落とその浄化」という内部抗争が描かれていたことで、アドソにとっては大切な思い出でしょうがあえて描く必要のない場面のような気もしましたので、、、

勿論、人と人の出会いは人生で最も大切なものだと思います。でも、この映画で最も大きな出会いだと感じさせてくれたのは、私の場合、師匠(コネリー)と弟子(スレイター)とのつながりだったからです。

Re: そのひとにとっての薔薇

からしだねさん


わたしも観ました!ケーブルでやってましたね!

多分ブルーレイ発売前の分なので、画面が荒く暗くて、字幕は公開当時と同じ戸田なっちさんの分でしたね。

わたしも初見は劇場でしたが、まだまだ映画経験が青い頃で内容が難しい!しかしすっかりこの独特な雰囲気に飲まれました。

それに大好きなショーン・コネリーが魅力的で(昔から役者至上主義ですね~)
その後レンタル再見、ビデオ購入、DVD購入、blu-lay購入・・・www


宗教に思い入れの全くないわたしからすると、「そんな理由?!」に命を懸けてしまう登場人物の信仰の崇高さがとても羨ましいという、変な感想が。
同じ宗教を信じながら、清貧を重んじる派閥、住民から詐取した金で煌びやかに着飾る派閥、暴力を正義と言うもの、よくよく考えると今でもある事だなと改めて人は宗教を介しても度し難いものなんだなと感じます。

そんな中、若いアドソの生涯一度の恋を薔薇の美しさになぞらえたラストは心に沁みました。
もちろん師であるウィリアム・バスカヴィルとアドゾの出会いがこの映画の中心でしょう。

別れの時に実の父のようにアドソを抱きしめ、そして二度と会う事の無かった師ウィリアムから譲り受けた例のメガネを使って文章をしたためている年老いたアドソのウィリアムに対する愛情が溢れるモノグラム。ここでいつも別れの情景が浮かんで泣いてしまうんです。

そしてあえてその名を聞くことの無かった少女との一夜の夢のような体験が深く心に残っていたアドソは信仰に全てを捧げながら、最後の最後の初恋の思いだけは名も知らぬ少女に捧げているんだなというのがもの凄くロマンティックで。
彼に言わすとわたしたちの薔薇は名もなき薔薇なんだなぁぁと分かったような分からないような、それでも納得して感動しちゃうんですよね。

ひ~~~長くなりました。
だらだらすみません。好きな映画の事って語りたくなりますね、へへ。

Re: Re: そのひとにとっての薔薇

みーすけさん

みーすけさんが映画の最後の一節について書いてくださったこと、映画そのものから受ける印象よりはるかに素敵ですね!
実は、私、(まったく敬虔でない)クリスチャンなので、こういう映画を見ると「信仰」の側面からばかり見てしまうところがあるのです。でも、この映画に対する見方はみーすけさんの方がはるかに深いです!やはり、ビデオ、DVD、Blu-rayと、この映画に対する深い愛が理解も深めるのですね。

年齢的なこともあって、エロス(男女間の愛)よりアガペー(神の愛)に関心があるせいもあると思います。でも、人はエロスを経験してこそアガペーに触れることが出来ると思います。アドソにとって確かにこの「名もなき薔薇」との出会いは大切な人生の宝物と言えるでしょう。

Re: Re: Re: そのひとにとっての薔薇

からしだねさん

あうあう、深いとか無いです💧💧
好きで何度も観てると勝手に色んな解釈が頭の中で成立してしまって、エーコもアノーも「いや、そんな事を言いたいわけではない」って呆れてるような……www
まあ、でも、映画はそれぞれの受け止め方があるので多様な解釈も許されるかと。
そうなんですね!からしだねさんはクリスチャンなんですね!
では尚更、原作者エーコの伝えたい事が深く理解できるのでは?!
心に大切にしている信仰があるのは羨ましいてやすね。
わたしは困ったときのなんちゃらですからね。
とほほ(;´д`)
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いらっしゃいませ
天邪鬼なので映画の好みも多少偏りありです
毒も吐き、妄想も垂れ流しますが笑って許してくださいませ
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